横浜つづきクリニック

-内視鏡内科 心療内科 内科-

クリニックブログ

自律神経って何?

2022年05月13日

心と体

皆さん、お久しぶりです。
院長の河原です。

 

本当に久しぶりになってしまい、
申し訳ありません。
前回のブログは昨年の9月ですから、半年以上お休みしていたことになり焦りつつ、
院長ブログを再開させていただきます。

 

「自律神経失調症」ってよく聞きますよね。
特に一昔前までは、
病名としても良く使われていました。
「自律神経失調症」とは特定の病名ではなく、
自律神経のバランスが悪くなった状態を表現する言葉です。

 

そもそも、「自律神経」って何でしょう?
神経には、中枢神経と末梢神経があり、中枢神経とは脳から脊髄につながる神経系のことです。
中枢神経から体の各部に伸びていくのが末梢神経で、末梢神経は更に、体性神経と自律神経に分けられます。

 

体性神経には知覚神経と運動神経があり、感じたり、身体を動かしたりします。
一方自律神経は内臓の働きや血液の流れなど、
生命維持のための機能を司る神経系で、交感神経と副交感神経に分けられます。

 

運動神経などは意思でコントロールすることができますが、自律神経は自分の意志でコントロールすることができません。
例えば、呼吸は自分の意志でコントロールでき、これは運動神経によって、胸腔を広くしたり狭くしたりして呼吸を行っているわけです。
それに対して、心臓は自分の意志で速くしたり、遅くしたり、止めたり、動かしたりできず、これらは自律神経の働きで制御されているのです。

 

胃や腸などの消化管の機能も自律神経による制御ですし、熱い時に汗を流したり、寒くて震えたりして体温調節するのも自律神経の働きによるものです。
このように、自律神経は自分の意思に関係なく24時間、365日働き続け、血液の流れや内臓の働きを司っています。

 

そう聞くと、何だか自律神経ってとても大切な気がしませんか?
この、自分の意志でコントロールできない自律神経の働きには心の状態が大きく関与し、心が乱れた状態、つまり不安や心配事、焦る気持ちや悲しみ、さみしさや怒りなどを抱えると、自律神経のバランスが乱れます。

 

自律神経の乱れは血流を悪くしたり、臓器の働きを低下させたり、過敏にさせたりします。
酷くなると、寒いのに汗をかいたり、熱いのに震えたり、上半身や下半身にだけ汗をかいたり、ふわふわと身体が浮いた状態に感じたりしてきて、そこから動悸や息苦しさに発展していったりします。

 

このように自律神経は脳と各臓器、心と身体をつないでいるわけです。
心が不調になれば、体調が悪くなり、体調が悪くなれば、心の状態も良くなくなります。

 

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があることは先に述べましたが、交感神経と副交感神経のそれぞれの役割は何でしょうか。

 

交感神経は、主に活動するときに優位になり、血管は収縮して心拍数や血圧が上昇します。
呼吸も早くなって興奮状態になりますし、交感神経はストレスを受けても優位になります。

 

それに対して副交感神経は、リラックスした状態のときに優位になり、血管は緩んで血流はゆっくりとなって、心拍数が下がって血圧も下がり、興奮状態は抑制され、ゆったりとした気分になります。

 

交感神経と副交感神経、24時間休みなく、常にどちらかが働いているわけです。
大事なのは、これら二つの神経のバランスで、自律神経失調状態になると、リラックスしたいのに心が興奮状態になったり、動かなければいけない時に気力が出なかったりするわけです。

 

このバランスの乱れは様々な不調を呼び起こし、頭痛やめまい、息切れや動悸、肩こりや腰痛、便秘や下痢、腹痛、吐き気などの消化器症状、倦怠感、末梢の冷え、しびれなどの身体の不調。
または不安や気力の低下、不眠、イラつき、集中力や判断力の低下、思考回転速度の低下、情緒の不安定などの精神的な不調も起こります。

 

そしてまた、心の不調やストレスが自律神経のバランスを乱し、体調をさらに悪くしていく。このように負のループに陥ってしまうわけです。

 

しかし逆に言えば、不安を軽減してストレスもなくなれば体調も良くなり、体調が良くなれば不安やストレスも軽減できるかもしれないのです。
これが心と身体は切り離して考えられない理由の一つです。

 

つまり自律神経のバランスを整えることは、心にも身体にも重要であるということになります。
皆さんも自律神経の存在を意識して、自律神経のバランスを整える生活習慣を心がけてみましょう。

 

体内時計という言葉を聞いたことがあると思いますが、自律神経には1日のうちに交感神経と副交感神経のどちらかが優位になるリズムがあり、
体内時計がこのリズムを作っているわけです。

 

理想的なのは朝から夕にかけては交感神経、夕から夜中にかけては副交感神経が優位になっているリズムで、夜はリラックスして寝て、朝起きて仕事や学校に行くときに気力が充実して日中活動し、睡眠に向けてまたリラックスしていくリズムです。
この体内時計を正常に機能させる生活習慣が自律神経の働きを良くさせます。

 

夜寝て、朝起きる。
日中の規則正しい時間に食事をとること、まずはこれが大事で、胃に入った食物が消化されて腸に流れていくのに6時間くらいかかりますので、6時間おきくらいに食事するのが理想的。

 

睡眠時間は年齢や個人的に必要な時間は異なりますが、規則正しいことが大事です。
同じくらいの時間に寝て、同じくらいの時間に起きる。
寝貯めはできませんから、お休みの日も遅くまで寝ていないで、なるべくいつも通りの時間に起きるようにしましょう。

 

夜早く寝て、朝起きられるように夕方から副交感神経を優位にしていく生活をし、朝起きてから徐々に交感神経を優位にするような朝の過ごし方をすることが大切です。

 

まずは朝の過ごし方。
これから仕事や学校に行こうと思うと、気力が出なかったり、起きるのに苦労することはありますよね。

 

朝はゆとりをもって準備をした方が徐々に気力を上げていけます。
少し早めの時間に目覚ましを掛けましょう。
(私は家を出る2時間前に起きるようにしています)

 

目覚ましがなったらすぐに起き上がらずに、まずは膝を曲げて仰向けの姿勢を取り、そこで深呼吸をして自分の呼吸に意識を集中してみてください。
心地よく息を吸って、全身の力を抜きながら息をゆっくりと吐いていき、自分の呼吸に意識を集中して、呼吸を味わうように5呼吸ほど深呼吸です。
最後に息を大きく吸いながら手足をゆっくりと伸ばして、大きな伸びをします。
そうしたら、ゆっくりと肺の中の空気を全部吐ききって、全身の力を抜きます。
そこでゆっくりと目を開けて、ゆっくりと起き上がります。

 

起きてトイレに行った後は洗面所で顔を洗ってうがいをします。

 

私はここで髭を剃ります。
火曜日から土曜日はシェーバーで、月曜日は髭剃りを使います。
髭を剃った後には化粧水で肌をパタパタとたたいて、鏡に向かって口角を上げ、「よし」と声を掛け、その声をキューサインとして、新しい一日の活動を開始するモードのスイッチをオンにしたと考えます。

 

部屋に戻ったら、まず水を一杯飲みましょう。
一杯の水によって、胃腸が活発になり、腸が刺激されることにより副交感神経が刺激されて自律神経が整えられます。
夜間の脱水も改善されますし、夜横になっていることにより食道に逆流していた胃酸も洗い流されて朝食を摂りやすくなります。

 

朝食はゆっくりと時間をかけて取りましょう。
私は朝食後にコーヒーをゆっくりと飲みながら新聞を読んでいます。
起きてから朝食を摂り終わるまでにたっぷり1時間はかけます。

 

そのあとは子供を起こしたり、家事をしたりして、そこから1時間後に家を出るようにし、朝はゆとりを持つことが大切です。

 

家を出たら大きく深呼吸をしましょう。
仕事や学校に向かう時は、姿勢良く、シャンと背筋を伸ばして歩きましょう。
頭に付けた一本の糸でつるされているようなイメージです。
周囲の景色を目にとめながら、ゆっくりと、しかし少し大股に歩いてみましょう。

 

食事は1日3回摂るのが良いと、私は思います。
腸内環境を整えることが、自律神経を整えることにもなり、規則的な食事が腸に程よい刺激を与えてくれるからです。
先ほども書きましたが胃の中での食物の消化時間を考えると、6時間おきくらいに食べるのが良いので1日3回の食事がベストと考えます。
そしてゆっくりとよく噛んで食べるのが大事です。
噛むという行為そのものが、消化器や脳を刺激してくれますし、さらに言えば、楽しんで食べることも大事です。

 

昼食は取り過ぎないようにしましょう。
急いでたくさん食べてしまうと、消化器官が急にフル活動をしなければならなくなり、血流が消化器に集中して脳が軽い酸欠を起こします。
また胃腸が活動すると副交感神経が優位になりますから、食後に眠くなってしまいます。
昼食はゆっくりとよく噛んで、量をやや少なめにしておくのが良いでしょう。

 

夕飯は早めの時間に終わらせましょう。
食べ終わってから寝るまでの時間を、4時間以上開けるのが理想です。
食べて3時間くらいで副交感神経が最も優位になりますし、血糖も下がり始めますので、食後すぐに寝てしまうと、血糖値が高いまま寝ることになるので太りやすくなりますし、副交感神経が優位になる前、つまり交感神経が優位なまま寝ることになるので、寝つきも悪くなるし、睡眠の質も落ちてしまいます。

 

胃に食物が入ったまま横になって寝てしまうと、胃酸が食道に逆流して逆流性食道炎の原因にもなってしまい、朝起きた時の胸やけや吐き気の原因になります。

 

夕飯の後は入浴がお勧めです。
できればゆっくりと楽しんで入浴するのが良く、1日の終わりの入浴は自律神経のバランスを整えます。

 

理想的な入浴は、熱すぎないお湯にゆっくりと15分ほどつかること。
そのうち首までつかるのは5分ほどにして、あとは半身浴にします。
半身浴になったら、ゆっくりと深呼吸をしてみましょう。
自分の呼吸に意識を集中して、呼吸の音を聴きながら、胸やおなかが空気で膨らんだりへこんだりするのを、ただ観察します。

 

また、息を吐くときには全身の筋肉から力が抜けて緩んでいくのを観察していきます。
無理に長く吸ったり吐いたりする必要はなく、心地よいペースで呼吸を行っていきます。
10呼吸前後繰り返して、全身がリラックスしていくのを感じていきます。

 

頭や身体も丁寧に洗いましょう。
1日の疲れをきれいさっぱり洗い流すつもりで。
機械的にではなく、丁寧に洗うことで、気持ちもさっぱりしてきます。

 

入浴後は水分の補給も忘れずに行いましょう。
私は入浴後すぐにストレッチをして、その後プロテイン飲料を300cc飲むようにしています。

 

体温が上昇した後、再び下がっていくタイミングが最も寝つきが良くなります。
夕飯後にゆっくりと入浴し、入浴後もゆったりした時間を過ごしてから布団に入るとちょうど良いでしょう。

 

布団に入る前にはデジタルデトックスを作りましょう。
寝る直前までスマホを見ていると、睡眠の質を悪くします。
本を読んだり、音楽を聴いたりして眠気が訪れるのを待つのが良いです。
私は少し本を読んだ後に、睡眠瞑想アプリを耳元で流して瞑想を行い、いつの間にか寝てしまいます。

 

ハードに働いたり学校に通ったりして疲れが溜まると、週末はゆっくり寝ていたくなります。
しかし、自律神経にはリズムがあります。
その体内時計のリズムを週末に崩してしまうと、かえって疲れが取れにくくなってしまいます。
休みの日もなるべく早めに起きて活動したほうが、自律神経のリズムを崩さないため疲れも取れやすくなります。

 

活動するのに必要な交感神経は、少し動くことによって優位になってきます。
疲れている時に、ずっと同じ姿勢で座っていたりすると、動き出すのに多大なエネルギーを要しますので疲れている時こそ、少し動いてみましょう。
動き始めてみると、意外に動けるものです。

 

自律神経の働きを意識して、バランスを考えた生活をしていると、気持ちの方も安定しますし、全身の血流も正常化して体も軽くなります。

 

健康を考えて、食事に気を付けたり、運動したりするのは大切です。
これからはそこに自律神経に良い生活習慣も一緒に取り入れてみてください。
そうすることによってはじめて、心身ともに健康を目指していると言えます。
心と身体の両方を大切にして日々生活しているという意識が、前向きな気持ちを育て、気力にもつながります。

 

気が付けば、めちゃくちゃ長くなってしまいました。
こんなに長いブログ、読むのに疲れてしまいますよね。
それでも、ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。

 

今度は半年も空けることなくブログを書いていきますので、今回はこの辺で。

ご予約受付
しております!

「内視鏡検査」のご予約・お問い合わせは、
お電話かメールでお気軽にご連絡ください。

045-913-5062                受付時間:月〜金 9:00〜18:00  土 9:00〜17:00

受付時間:月〜金 9:00〜17:00

土 9:00〜17:00