横浜つづきクリニック

-内視鏡内科 心療内科 内科-

クリニックブログ

ジグソーパズル

2021年09月13日

院長の日常

皆さまご無沙汰しております。院長の河原です。

気が付けば、前回のブログをアップしてから半年近くが経ってしまいました。
忘れていたわけではなく、今度は自律神経について書こうとか、HSPのしなやかに過ごすための戦略について書こうかとか思い、何冊か本を読んだりもしていました。
しかし、どうも気負い過ぎなのか、なかなかうまく文章にまとまらず、未だに書けずにいます。
あんなに外来では自律神経やHSPの話ばかりしているのに、新しい知識を入れて書こうとすると、まとめるのに苦慮してしまいます。

そこで、今回は本をまとめたりする作業もなく、軽く書くことのできるものを、ブログの間に入れることにしました。

先日、急に小学生の次男が以前買ったジグソーパズルを持ち出してきて一緒にやろうと言い出したので、息子にコツを教えながら2人でパズルをしました。
500ピースのポケモンのジグソーパズルで、パズルを組み立てながら、私は昔を思い出していました。

父の姉にあたる私の叔母はジグソーパズルが趣味で、当時よくパズルをしていました。
子供が一人でやるのには、とても難しいパズルばかりでしたので、何だか大人の遊びみたいに思えてうれしく、従妹たちとよく手伝って(邪魔して?)いました。

場所を確保してパズルを広げ、ピースを表に直しながら、「はじっこ」を探して集め、他のすべてのピースも大まかに色分けしていきます。海や空は青っぽいピース。
草や木は緑や茶色といった風に。
そして叔母がみんなに、「誰だれはお城の係、誰だれは森の係、誰だれは湖と空の係ね」と声をかけて作り始めます。
叔母はパズル好きなだけあって、非常に上手で、次々とピースをはめていくので、子供心にもすごいなあと思っていました。
その叔母に「なかなか才能あるな」と言われ、それがすごくうれしくて、長い時間飽きずにパズルを楽しんでいました。

ポケモンのパズルは500ピースですし、非常に簡単ですぐに終わってしまいましが、久しぶりに楽しかったです。
しかし、やはり物足りなさを感じました。良くいくデパートにジグソーパズルの店があるので、今度行ったら1000ピースくらいのを買ってみようかなと考えていました。
するとすぐ次の週末にはそのデパートに行く機会があったので、次男と一緒にパズルの店に入りました。
たくさんのパズルが飾られていて、見ているだけでも楽しく、ワクワクしました。
半分くらいは子供のアニメ番組のパズルでしたが、息子はそちらにあまり興味を示さなかったので、自分の好きなパズルを探しました。
結構悩んだ結果、こんなところに行きたいなという風景のパズルにすることにしました。
買ったのはイタリアの「チンクエ・テッレ」のパズルです。

チンクエ・テッレとは5つの村の総称で、海沿いの急斜面にカラフルでかわいらしい家が立ち並ぶ風景がとても素敵で、数世紀の歴史があり、世界遺産に登録されています。

日曜日に買ってきて、その日の夜から開始し、ソファの横のスペースで作ることにしてパズルを広げ、表に返しながら「端っこ」集めを息子としていきました。

チンクエ・テッレの風景は「空」「海」「岩」「草木」「赤い花」そしてカラフルな「家々」に大まかに分かれていましたので、表に返しながら色分けをしていきます。

「端っこ」を組み終わるくらいには次男は飽きてしまいました。
完成間近には、きっとやりたがるだろうと予想して、難しそうなところから先に始めることにしました。

まずは「海」と「空」です。
パズルのコツは色の変わるところから組んでいくことです。
まずは「海」と「赤い花」の境界を組んで、次に海と空の境界を組んで、空と山の境界を組みました。
そうしておいて、その間の空や海のパズルをはめていきます。
ポケモンよりはずっと難しいものでしたが、だんだんと昔のコツを思い出していきました。

同じ要領で、「赤い花」「草木」「岩」を組み立てていきます。
「赤い花」が案外手強かったです。
そして最後に楽しみにとっておいた「カラフルな家々」で、これは完成写真を見ながら組み立てていきます。
写真を見ながら組み立てるところは簡単なので、ここからは次男も一緒にやりました。
私がピースと写真を見て、大体この辺といって息子に渡していきます。
最後の30ピースくらいは、息子に全部任せてみました。
最後の1ピースをはめた時は満面の得意顔でした。

出来上がったパズルを眺めるのはまた、楽しいひと時です。いつも私は想像の世界でその風景の中に入ってみます。

深呼吸をして一度目を閉じます。
そして落ち着いた気持ちでゆっくりとパズルの風景を見ていきます。
そこにいる人々の声や、海の波の音、太陽の光の暖かさを感じていきます。
だんだんとリアルの感じられるようになったら、適当な場所を決めて、そこに降り立ちます。
そう、言葉通り、空想の世界で空を飛んで、ゆっくりとそこに降り立つのです。

 

そこに降り立つと、背中に熱い日差しを感じた。
やわらかい海風がほほをくすぐり、磯の香りが心地よい。
遠くからは甘い花の香りも漂ってくる。右を向くと輝くような青い色をした海が広がる。
海水浴や日光浴を楽しむイタリア人がたくさん見えた。

だんだんと周囲の音も聞こえてきた。
静かな波の音に交じり、そこかしこで歌うようなイタリア語が耳に届く。
みんな幸せそうで、生活を、人生を楽しんでいるように見えた。
周囲には原色のペンキが塗られたボートが所狭しと置かれている。
前方を見上げると、何とも可愛らしいカラフルな家々が並んでいた。
切り立つ断崖に無理やりに家を建てられるだけ建ててみたという感じだ。その家々に誘われるように私は歩を進めた。

家々は皆明るい色に塗装されている。
ピンクやオレンジや黄緑だ。
どの家も単純な箱型の形をした3階建てや4階建ての建物で、長方形の窓が規則正しくが並んでいる。

海辺には若い人たちが目立ったが、村に足を踏み入れるとお年寄りが多かった。
石畳の狭い坂道には、やはりあちこちにボートが置かれている。
村の人たちにとって、海は生活の一部であることが伺われる。
周囲をきょろきょろと見まわしながら、心地の良い汗を流して登っていくと、道がだんだん狭くなり、人が2人ギリギリ並んで歩けるくらいの道になった。
さらにくねくねと坂を登っていくと、どの家にも下から見上げた時には見えなかった場所に小さなベランダがあり、たくさんの洗濯物が干されていた。
家の前には鉄製のベンチが置かれている家も多く、そこにはお年寄りが座って気持ちよさそうにタバコを喫っていた。
お年寄りたちは何とも味のある深い皺を顔に刻み、うっすらと微笑んでいた。
右手には古い映画に出てきそうなBARがあり、帰りに寄っていきたいなと思いながら少しずつ急になっていく坂を登り続けた。

さすがに息が切れてきたころには、だんだん日の光が足元にも届くようになり、周囲が明るくなってきた。
もう上り坂は見当たらない。
どうやらここが岬の村の頂のようだ。
風の吹く方向に歩を進めると、急に視界が開けて海が見渡せた。
海から吹く風が気持ちよく汗を乾かしていく。
日差しはあくまでも優しくて親し気だ。
そして見渡す限りの海はまさしく絶景だった。
きれいな水平線が、遠くに緩やかな弧を描いていた。

そこは何度でも訪れたくなる場所だった。

 

こうやって、絵や写真を見ながら空想の世界に入っていくのが、昔から好きでした。
パズルの中の海には船が浮かんでいるのですが、その船の中に乗って、見える景色を楽しむ空想もしました。

ジグソーパズルを組み立てている時も、このような空想にふけっている時も、マインドフルネスな状態と言えます。
文章を書いている時も、絵を描いている時も、楽器を演奏している時もです。

生活を楽しみながらマインドフルネスな状態を創り、副交感神経を優位にしていくと、とてもリラックスした状態になり、集中力も鍛えられます。

皆さんも何か始めてみませんか?

今回作成したチンクエ・テッレのジグソーパズルは、診察室に飾ることにしました。

来院された方は、文章から想像した風景と、実際のパズルの風景とを比べてみてください。

 

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