横浜つづきクリニック

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クリニックブログ

当院の認知症治療について

2020年05月06日

心療内科

認知症って、何となく怖いイメージをいだいている方も多いかと思います。
自分が認知症になったらどうしよう、家族が認知症になったらどうしよう、そう思うと怖い感じがしますよね。

認知症になったら仕方がないとあきらめる疾患ではありません。
認知症はきちんと診断して治療をしてくことが大事な疾患です。
認知症にはいろいろな症状がでます。
その症状をコントロールして、多少物忘れが多くても、家族と快適に、何より本人が幸せに暮らしていけるようにすることが治療の目的になります。

認知症には治療薬があり、そして認知症にはいくつかの種類があります。
どの認知症なのかをきちんと診断せずに認知症の治療薬を開始して、しかも効果が乏しいとどんどん量を増やしていったりすると、認知症は悪化して悪い場合は動けなくなってしまう事もあります。

まず診断を付けることが大事で、認知症の種類によって内服薬の使い方が大きく異なるからです。

認知症の診断というと、頭部MRIや頭部CTを思い描く方も多いかと思いますが、実はそれらの画像診断はそれほど必要になりません。
認知症の種類によって症状が全く異なるので、症状から診断を行っていくのです。
そして、診断と症状に合わせて少量から内服を開始していきます。
少量から行うことが大事で、過量になると認知症は悪化していきます。
効果を確認しながら徐々に適正な量に調節していくのです。

認知症には大きく分けて4つあります。

アルツハイマー型認知症は皆さんも聞いたことがあると思います。
そのほかに前頭側頭型認知症、これをピック病といいます。
そしてレビー小体型認知症に脳血管性認知症の4つです。

これらは高齢になればなるほど混合していきます。
アルツハイマーのピック化やレビー化。
アルツハイマーに脳血管性が合併という風に2つもしくは3つの認知症が混合することが多くなっていきます。
そして若年で発症するほど治療が難しくなります。

それぞれ特徴があるのですが、当院ではまずピック病とレビー小体型認知症の存在を症状から判断します。

ピック病は初期症状に物忘れが目立ちません。
認知症検査などを行っても高得点を取る場合があります。
そして病識がありません。
典型的な症状が以下のようなものです。

・易怒性、興奮、暴言、暴力
いきなり怒り出して興奮し、暴言や暴力などが見られるようになります。

・自分勝手、横柄で傲慢な態度
わがままで、人の話を聞いてくれなくなります。
急に大声を出したり騒いだりも。

・道徳心の減退
悪い事を平気でして悪びれる様子がありません。
人の食べ物をとったり、万引きしたりすることもあります。

・常同行動
同じ行動の繰り返しが多くなり、こだわりが強くなります。
同じコースを歩かないと怒り出したりします。

・病識の欠如 治療への拒否
診察室に入ってきたときから怒っていたりします。
病識がないため、内服もきちんとしてくれません。

・迷惑行為
部屋や家をゴミ屋敷にしたり、入浴や歯磨きなどの行為もしなくなっていきます。
きれい好きだった人が急に片づけられなくなることもあります。

・過食、異食
特に甘いものを好んで大量に食べたり、食べられないもの、石鹸などを食べてしまったりします。

続いてレビー小体型認知症の診断です。
レビー小体型認知症の人はピック病のような元気さはありません。
弱弱しい感じの認知症で、高齢者に多く見られます。
早く動くことが出来ず、よちよちとした感じで診察室に入ってきます。
そして座ると右か左に傾きます。以下のような症状が見られます。

・弱弱しい
パーキンソン病のように小刻みにゆっくりと歩くことが多いです。
・身体の傾き
座ると横に傾きます。
体が斜めになってしまうのです。
そして筋硬直も強くなり、関節がこわばってカクカクします。

・幻覚
幻視が特徴的で、幻視とは無いものが見えることです。
レビー小体型の原覚の場合、人や虫が見えることが多いです。最も多いのが子供で、何人も見えることが多いようです。
模様を人や虫と錯覚することも良くあります。

・うつ 無気力
いつも何となく元気がないのですが、気分に波もあります。
日によってひどく表情が沈んでいて、無気力が強くなることもあれば、比較的元気な時もあります。

・寝言
夜中に寝言が急に増え、大声を出して叫ぶこともあります。

・低血圧 意識障害
血圧がいつの間にか低くなっていることがあります。
それが原因で起立時に失神してしまう事もあります。

・薬に対する反応の過敏性
薬が効きすぎるようになります。
認知症の薬を内服していて、急に動けなくなる事もあります。

以上がピック病とレビー小体型認知症の特徴で、このように特徴的な症状がでますので、素人でも何となく診断できます。
物忘れよりも以上のような症状が先行することが多々あります。

続いてアルツハイマー型認知症を診断します。
以下のような特徴があります。

・記憶障害
主症状で、物忘れから始まって、置き忘れなども多くなっていきます。
道に迷ったりしますが、比較的陽気にしている人が多いです。特に近時記憶から忘れていきますので、子供の頃のことは覚えていたりします。

・言い訳
質問して分からないと言い訳をしたりごまかそうとしたりします。
取り繕いも多くなります。

・振り向き現象
質問をして分からないと家族の方を振り向きます。
質問の度に振り向くことも多いです。

・実行障害
今までできていたことができなくなります。
できないことに対して取り繕いや言い訳が多くなります。

アルツハイマー型認知症の症状は、ドラマなどでも良く出てくる認知症の典型的な感じです。
病識も乏しく、陽気になります。

そして最後に脳血管性認知症の診断です。
こちらはアルツハイマー型認知症と明確に区別する必要性はそれほど高くはありません。
以下のような特徴があります。

・まだらな症状
症状の良い時と悪い時があり、差が激しい。

・気力の低下、うつ
やる気がなく、元気がなくなります。
泣き出すなどの感情失禁もみられます。

・昼夜逆転、夜間徘徊
夜に状態が悪くなり、何かしだしたり、徘徊したりします。

アルツハイマー型認知症のための簡易テストもあります。
一つは指模様テストです。
指で形を作って、それを真似してもらうテストです。
OKマーク、指きつねを作って真似してもらい、うまくできないようならアルツハイマーの可能性が極めて高くなります。

もう一つが時計描画テストです。
少し大きめの白い紙に時計を書いてもらい、
「丸を描いて、時計の絵を描いてください。」と言って書いてもらいます。
ここで小さな円を描く場合はアルツハイマー型認知症の可能性が高いです。
次に紙に大きめの円を描いておいて、その円に時計の数字を描き込んでいってもらいます。
アルツハイマーの初期はきちんとかけることが多いです。
また脳血管性認知症の場合も普通の時計を描くことが多いく、中等度以上のアルツハイマーでは数字の配列がおかしくなります。
次に大きめの円に数字を描いておいて、10時10分を示す針の絵を描いてもらいます。
中等度以上のアルツハイマーでは針の絵がおかしくなります。中心がずれていたり、1本の針や3本の針を描くこともあります。
脳血管性認知症の場合、正常の針を描けることが多いです。
重度のレビー小体型でもおかしな絵を描くことが多いです。

上記を行ったら、記憶力テストです。
当院では長谷川式簡易知能評価スケールを用います。
全部で30点満点です。
20点以下では認知症の可能性が高いとされています。
10点以下では重度の認知症と言えます。

ここまでで、認知症の種類も含めて診断がつきますので、治療に入ります。
認知症は脳の老化によって起こるわけですから進んでしまって老化をもとに戻すことが出来ないように認知症そのものを完全に治すことはできません。
しかし、症状を良くすることはできます。
認知症の症状で問題になるのは、物忘れすることよりも、その周辺症状です。
興奮やせん妄、徘徊、怒りやすくなるなどの認知症周辺症状のことを、行動・心理症状と言います。
これらもうまくコントロールすることが常用です。
そうすれば、多少物忘れがあっても笑顔で楽しく暮らせるようになります。

認知症の種類を診断したら、その強さと、行動・心理症状の有無を確認して、必要に応じて内服治療を行っていきます。
大事なのは効果が乏しいからと言って、内服の量や種類を次々と増やしていかないことです。
内服しすぎで調子悪くなることも多いからです。
飲みすぎていると判断した場合は内服の量や種類を減らしていくことから治療を開始します。

内服薬にはコリンエステラーゼ阻害薬をはじめ、興奮、易怒性などを抑える抑制系のお薬を併用して行っていきます。
副作用に気を付けながら徐々に内服の量を調整していきます。

「ああ、認知症ですね、アリセプト出しておきましょう。」と安易に薬を出され、「効果が乏しいから量を増やしていきましょう。」といった治療が最も危険です。
ピック病やレビー小体型認知症はアリセプトで悪化します。
何度も言いますが認知量治療で大事なのは、種類の診断をしっかりとする事と、過度な内服を避けることです。
そして目的は物忘れの改善ではなく、周辺症状をしっかりと抑え、家族の負担を軽くして、そして何よりも本人が笑顔で楽しく暮らせるようにしていくことです。

本人が楽しそうにしていれば、家族も幸せになれますから。

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