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急性胃腸炎

2020年05月27日

消化器内科

消化器科の外来をしていて、初診の患者様で一番多いのが急性胃腸炎です。

急性胃腸炎とは、急性に腹痛、嘔吐、下痢、発熱などの消化器症状を主症状とする一過性の病気の総称で、多くの場合、感染性胃腸炎を指します。

感染性胃腸炎は大きく分けて細菌性のものとウィルス性のものがあり、細菌性のものはキャンピロバクターやサルモネラ、黄色ブドウ球菌、病原性大腸菌などによる感染によって胃腸炎をおこします。
多くは食物から感染しますが、接触感染もあります。

ウィルス性のものはノロウィルスやロタウィルスなどのウィルス感染により胃腸炎をおこすもので、ウィルス性のものも食物からの感染と接触感染があります。
ウィルス性のものの方が接触感染の力が強く、人から人へと感染していき集団感染することがあります。

細菌性は夏場に多く、ウィルス性は冬に多いというのが一般的ですが、どちらも一年中感染の可能性があります。

急性胃腸炎は一過性のもので自然治癒も望めますが、嘔吐、下痢が強い場合は脱水を起こし重症化することもあります。
症状が消化器症状ですので、食事ができなくなったり飲水ができなくなることもあり、飲水が充分にできない場合は早めに医療機関に受診する方がよいでしょう。

急性胃腸炎の原因を見ていきましょう。

① 細菌性胃腸炎の原因

細菌性胃腸炎は、主に食品を介して感染し、料理が十分に加熱されていなかったり、調理過程において料理に細菌で汚染(調理者の手指や包丁やまな板などから)されて感染が成立することも多いです。
また細菌によっては接触感染も強いものがあり、例えば、病原性大腸菌で病原性の強いものは、細菌に暴露したものを触れて、その手で触れた場所に他の人が触れてそのまま食事をして感染、という事もあるので感染源が特定できないことも多々あります。
細菌によっては河川や土等から感染するものもあります。

細菌性腸炎の起因菌には、キャンピロバクター、サルモネラ、病原性大腸菌、ビブリオ、黄色ブドウ球菌などがあります。

② ウィルス性胃腸炎の原因

ウィルス性胃腸炎の主な感染経路は接触感染で、感染源から直接接触により感染します。
特に感染者の嘔吐物や下痢などには多量のウィルスが潜んでいますので、お子さんが部屋で嘔吐して吐物の処理をする際に感染したりします。
また直接接触せずに感染者の触れたものを触れて間接的に感染することも多く、感染者の使用したコップやタオルを介して感染することもあります。

空気感染や塗抹感染するわけではありませんが、じゅうたんに嘔吐した吐物が気化して、それを吸い込んで感染することもあります。

ウィルス性胃腸炎として有名なノロウィルスは、牡蠣や貝類の過熱が不十分なまま摂取したり、感染者の調理した食べ物を介して感染することもあります。

代表的な細菌性胃腸炎を説明していきます。

① キャンピロバクター胃腸炎

細菌性胃腸炎の中で最も多く見られ、キャンピロバクターは主に食肉、牛、ヒツジ、豚、鶏などの家畜類や野鳥などの消化管に生息する細菌です。
特に鶏肉からの感染が最も多くみられます。
鳥刺しやレバ刺しなどの生肉の摂取や、生焼けの肉を摂取することで感染することが多く見られます。
季節的には5~7月くらいに感染のピークを迎えますが、1年中発生はあります。

潜伏期間は比較的長く、1~8日ほどあります。
摂取してから1週間後に発症ですから、ほとんど忘れたころに症状が出てきます。

下痢がほぼ確実にいられ、高熱が出ることも多く、腹痛、下痢、嘔吐、発熱、悪寒、倦怠感などが見られます。
また感染後10日ほどでギランバレー症候群が発生することがまれにあります。

② サルモネラ胃腸炎

キャンピロバクター腸炎に次いで頻度の高い細菌性腸炎です。
サルモネラも家畜(鶏、豚、牛)の腸管内に生息しています。生卵や牛レバーなどの摂取で腸炎を起こします。
また、ミドリガメなどのペットからも感染することが知られています。

サルモネラ腸炎はキャンピロバクターより潜伏期間が短く、8時間から3日くらいで、症状はキャンピロバクターと同様ですが、より激しい症状を起こすことが多いです。
下血することも珍しくなく、重い脱水症状が起こし重症化することもあります。

③ ブドウ球菌胃腸炎

黄色ブドウ球菌の感染による胃腸炎で、ブドウ球菌が産生した毒素を摂取することによって感染が成立します。
生クリームを使ったケーキや、牛肉、加工肉、魚類などに見られます。

潜伏期間はより短く、2時間から8時間くらいで、嘔吐、下痢、腹痛は高頻度に見られます。
発熱も観られます胃が、キャンピロバクターやサルモネラほど顕著な発熱はありません。
菌血症を起こし重症化することもあります。

④ 病原性大腸菌胃腸炎

病原性を持った大腸菌に感染して起こる胃腸炎で、潜伏期間は3~8日程度です。
病原性の大腸菌は180種類ほどあり、そのうちベロ毒素を発生して出血を伴うものを腸管出血性大腸菌と言います。

O抗原で分類され、有名なものはO-157でベロ毒素を産生すると激しい出血を伴う下痢がみられ、入院を要することが多いです。HUS(溶結性尿毒症症候群)や大腸菌性脳炎のような重篤な合併症を起こすこともあります。
O-157の他にも、O-26、O-121、O-111、O-104などが強い病原性を持ちます。

腸管出血性大腸菌は牛や羊などの家畜が保菌していることがあり、生肉や生のレバー等から感染することがあります。
またO-157などのベロ毒素産生性の大腸菌は感染者の便の中にも菌が多数みられ、そこから容易に接触感染がおこるため集団感染を起こすこともあります。

代表的なウィルス性胃腸炎についても説明します。

① ノロウィルス性胃腸炎

ノロウィルスに感染することで起こる胃腸炎で、特に11月から2月くらいの寒い時期に流行します。
小児にも老人にも好発年齢を持たず感染、発症します。

元来は汚染された牡蠣などの二枚貝を生食、もしくは過熱が不十分な状態で摂取することによって感染が成立します。
感染者の吐物や下痢などの処理をして汚染された手を介して接触感染することも多く、感染力が非常に高いため、一人から何人にも感染して集団感染することがあります。
感染者の便には1兆を超すウィルスが生息しますが、そのうち100個ほどの少量でも感染が成立すると言われています。
石鹸やアルコールに強いウィルスであることも感染を広げる原因になっています。
次亜塩素酸ナトリウムの消毒液は効果があり、汚染された床や便器などは次亜塩素酸ナトリウムで消毒するのが有効です。

症状は12~48時間ほどの潜伏期間を経て、嘔吐、下痢が突然見られ、どちらかだけのこともあります。
熱は出ても38度くらいまでの軽症のことが多く、小児の場合は比較的短期間で症状が緩和して元気になりますが、高齢者や基礎疾患をお持ちの方では重症化することもあります。
症状が緩和してもしばらくは便中にウィルスがいますので、二次感染予防が大切です。

② ロタウィルス性胃腸炎

ロタウィルス性胃腸炎は2~3月ころに流行するウィルス感染症で、乳幼児をはじめ小児に多く見られますが、小児から成人に感染することもあります。
小児の重い急性胃腸炎のうち約半数はロタウィルスによるものです。
潜伏期間は比較的短く1~3日ほどで、やはり非常に感染力が強くノロウィルス同様に糞便中に1兆を超すウィルスが生息し、そのうちの100個ほどが体内に入ると感染が成立してしまいます。
やはり石鹸やアルコール消毒や、高温に対する抵抗力を持ったウィルスです。
症状は激しい嘔吐と下痢、発熱でノロウィルスよりも高い熱が出ることが多いです。
便の色が白色になることがあり、多量の水様性の下痢が頻回にみられるため、脱水に陥ることがあります。
数日で症状は軽快していきますが、脱水や発熱が強く入院を要することもあります。

③アデノウィルス胃腸炎

アデノウィルスのうち腸管アデノウィルスであるF40、F41の血清型が胃腸炎をおこします。
3歳未満、特に乳児に多く見られます。季節性はあまりなく通年性に発症します。
小児のウィルス性胃腸炎ではロタ、ノロに続いて多く見られます。
感染経路はやはり糞便から接触による経口感染になり、潜伏期間は3~10日程度です。

ノロウィルスやロタウィルスの胃腸炎に比較すると症状は軽症で、嘔吐は半数ほどに下痢はほぼ必発です。
発熱も軽度で済むことが多く、嘔吐は2日ほどで治まることが多いのですが、下痢はひどくないものの長く続く傾向にあります。
白色の便はロタウィルスに特徴的ですが、アデノウィルス胃腸炎でもクリーム色の便が出ることがあります。

急性胃腸炎はどのような症状が怒るのでしょうか。
下痢、腹痛、悪心、嘔吐、発熱です。
下痢や嘔吐、発熱にて脱水が進めば、倦怠感や頭痛、ふらつきなどの症状もみられるようになります。

血便を起こしてくるものは、ほとんどが細菌性の胃腸炎です。特に細菌性腸炎のうち出血する可能性が高いのは病原性大腸菌とキャンピロバクターです。
サルモネラ、チフス、パラチフス、細菌性赤痢なども出血を伴うことがあります。

高熱を伴う場合はサルモネラ、キャンピロバクター、ロタウィルスの感染が多く、大腸菌性腸炎は発熱が軽度のことが多くノロウィルス感染は急な嘔吐で発症することが多く、小児が感染した場合、元気に遊んでいた子が急に噴水状の嘔吐をしたりします。
発熱はみられないことも多いくロタウィルス腸炎は乳幼児に多く、白色便が特徴的です。

急性胃腸炎の治療を細菌性とウィルス性に分けて説明します。

① 細菌性腸炎の治療

細菌性腸炎の原因が細菌とはいえ、多くは対症療法で自然治癒が期待でき、症状を緩和させるために内服を処方します。
下痢が強ければ整腸剤を、胃の痛みが強ければ胃の薬を、吐き気が強ければ吐き気止めを、熱がきつければ解熱剤をといった治療を対症療法と言います。
症状が重く脱水が強い場合や水分を取れない場合などは点滴も行います。
なるべく安静にして食事を極力少なめにして腸管を休めます。
水分の摂取は大事ですが、一度にたくさん飲水すると嘔吐してしまう可能性がありますので、少量ずつ頻回に水分を摂るようにします。
症状の強さによって抗生剤の治療を行うこともあり、ニューキノロン系の抗生剤やホスホマイシン、マクロライド系の抗生剤が選択されます。
便の培養を行い、菌が検出されれば同時に薬剤感受性(どの抗生剤がその細菌に効果があるかを調べる検査です)も調べますので、効力のある抗生剤を使用できますが、前述したように検査の結果に1週間程度要するため、ほとんどの場合は結果を待たずに抗生剤を使用することになります。

② ウィルス性胃腸炎の治療

ウィルス性胃腸炎の場合はインフルエンザの時に使用する抗ウィルス薬や、細菌に対する抗生剤のような有効な薬剤はありません。
基本的には対症療法を行って、自然治癒を待ちます。
対症療法は細菌性腸炎の時と同じで、症状に対して内服薬を処方し、脱水があれば点滴を行います。
やはり腸管を休める必要がありますから、食事は極力少なめにして消化の良いもののみにします。
脱水を防ぐために、こまめな水分摂取が重要です。
またウィルス性胃腸炎の場合は二次感染を予防するのも重要で、とくに家族内感染が多く見られますので、汚染物の処理や食事の前の手洗いが重要になります。

急性胃腸炎は非常につらい症状が出ます。
重症化することは稀ですが、治療をした方が早く楽になりますので、思い当たる症状がある場合は早めに受診されてください。

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