横浜つづきクリニック

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クリニックブログ

栄養療法 必要なものをしっかり食べましょう

2020年03月18日

心と体

身体の健康には食事が非常に重要なことは常識的なことですが、

実は心の健康にも食事は非常に重要で、心身を動かすエネルギー源です。身体には水分とタンパク質と脂質と糖質とビタミンミネラルが必要になりまり、その中でエネルギー源となるのは糖質と脂質とタンパク質です。

その代謝経路には糖代謝と、脂質代謝とアミノ酸代謝があります。

これらがすべてクエン酸回路(TCA回路)に入ってエネルギーを作って行きます。

糖代謝はエネルギーを作るスピードがあり、脂質代謝は効率よくエネルギーの量を作れます。

つまり糖質の方が手っ取り早くエネルギーを作れるので、エネルギー源として糖質が充分にある状態では脂質代謝経路は回っていきません。

ダイエットをしようと思って、摂取カロリーだけ落としても糖質を摂ってしまえば脂肪は燃えないわけです。

さらに言えば、カロリーを制限してしまうとタンパク質がエネルギー源として使われてしまうので、弱い身体になってしまうのです。だからダイエットをする際は、カロリーを十分に取りつつ糖質のみを制限していくのが最も理にかなっているわけです。

そして高脂血症の方は脂質のみ取らないようにしていても糖質を摂っている限り体内の脂質は代謝されませんから、悪玉のコレステロールは下がっていきません。高脂血症の方は、カロリーを十分に取りつつ、そしてよくない脂質を制限して良質な脂質をしっかり摂り、そして糖質を制限するのが最も効率的なわけです。

 

心には十分なカロリーが必要です。

カロリーが低下するとタンパク質がエネルギー源として使用されてしまいます。

タンパク質は脳の神経伝達物質の原料となります。

脳の神経伝達物質であるセロトニンやドーパミンなどが作れなくなってしまいます。

セロトニンやドーパミンといったモノアミン神経伝達物質は安心感や意欲、学習や快の感情などに関与しています。タンパク質が不足すると不安が増したり、意欲が落ちたり、学習能力が落ちたりするのです。

 

そこでカロリーを摂取するために糖質と取ってしまうと、その時に血糖が上昇します。

それを下げるためにインスリンが分泌され今度は血糖が下がってしまいます。

血糖の上がり下がりが激しくなるわけです。

血糖が下がるとそれを上げるための副腎皮質ホルモンが過剰分泌され、自律神経のバランスも乱れ、動悸や、発汗や不眠、抑うつ、あせりやイラつきといった症状が出てきます。

 

更に糖質が摂りすぎると、ビタミンBがその代謝に使われてしまいます。また血糖を上げるためのホルモンの合成にもビタミンB群や亜鉛、マグネシウムなどが使われてしまいます。

 

安心感をもたらすモノアミン神経伝達物質の合成にはビタミンBや亜鉛、鉄が必要になりますので、神経伝達物質を作るための原料が不足していってしまいセロトニンやドーパミンが作られなくなってしまうのです。

 

脂質も必要な栄養素で、脂質は細胞膜を作るのに重要です。

脳の神経細胞の細胞膜も脂質で作られていますので、摂取する必要があります。

但し脂質は良質なものが必要で、悪い脂質はトランス脂肪酸です。

マーガリンやドレッシング、ポテトチップスなどに使用されています。

サラダ油もオメガ6脂肪酸でよくありません。

良い脂質は青魚などに含まれるオメガ3脂肪酸で、

えごま油、アマニ油、ココナッツオイル、ラード、バター(飽和脂肪酸)やオメガ9脂肪酸のオリーブオイルなどを積極的に取るとよいです。

 

亜鉛、鉄、ビタミンも不足すると神経伝達物質が作れないので重要です。

亜鉛は細胞分裂に使用されるミネラルで免疫細胞の働きも高め、粘膜も強くします。

 

鉄は不足すると、倦怠感や重い感じ、イラつき、頭痛、元気のなさ等が見られます。

鉄はセロトニン、ドーパミン生成の補因子となりますし、エネルギーを作るためにも必要になります。

エネルギーを作るクエン酸回路を回すのに鉄やビタミンBが必要だからです。鉄が不足するとエネルギー代謝が悪くなるので、手っ取り早くエネルギーを作れる甘いものが欲しくなってしまいます。

そして糖質を摂りすぎると高血糖から低血糖になってと、悪い循環に入り込んでしまうのです。

 

つまり心のためには

1.しっかりとカロリーを摂る。

2.タンパク質をしっかり摂る。

3.良い脂質を摂る。

4.糖質は避ける。

5.鉄、亜鉛、ビタミンB群をしっかりと摂る。

事が重要なわけです。

 

健康診断で採血をした方は数多くいらっしゃると思います。

その時に異常値が付くと気になりますよね。

正常範囲内にないものは異常値とされるわけですが、私たちのクリニックではその正常範囲内にあるものから不足している栄養素を特定していくことができます。

しかし検診で行われる採血の項目では不十分ですので、必要な項目をしっかりと入れた採血を行うことが必要で、それでかなり細かく不足している栄養素が分かります。

 

不足している栄養素が分かれば、それをしっかりと補充していくことで、うつや不安障害、パニック障害、あるいは発達障害なども改善してくことが少なくありません。

来院当初はお薬が必要になっていた方も栄養を十分に摂ることでお薬が不要になることもあるわけです。

 

毎日の食事は非常に重要で、皆さんも自分に不足している栄養素をしっかりと知って、それを補充していきましょう。

そして心と身体を健康にして笑顔を手に入れましょう。

 

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