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横浜つづきクリニック
-内視鏡内科 心療内科 内科-
2020年04月15日
消化器内科
実は私は逆流性食道炎です。
どうも、このフレーズで書き始めていることが多い気がしますが本当です。
遅い時間に夕飯を食べたり、食事の後に寝てしまったりすると胸が焼けます。
苦手な食べ物もあります。
私の場合苦手なのはサバで、サバはどんな食べ方をしても、ある量を過ぎると胸やけがしてしまいます。
その他にも昔食べられたものが食べられなくなっています。
中トロや牛カルビ、生クリームたっぷりのケーキなど。
どれも少しなら食べられますが、量を過ぎると胸が焼けてしまいます。
数年前、症状が強い時に内視鏡を受けてみました。
昼休みに後輩に内視鏡をやってもらったのですが、見事に食道炎になっていました。
噴門という胃の入り口は緩くなっていて、食道の胃に近いところは真っ白になって粘膜に傷もついていました。
見事に逆流性食道炎の診断です。
しばらく薬を内服して生活と食事にも注意をし、症状を改善させました。
なぜ私は食道炎になってしまったのか、それは明確です。
大食い、早食いのうえ、油っぽいものをたくさん食べ、夕食の時間が遅いために食べてすぐに寝ていたのです。
これらすべてが逆流性食道炎の原因です。
逆流性食道炎は非常に罹患率の高い疾患です。
症候性胃食道逆流症といって内視鏡検査で異常がないのに症状を認める人も含めれば3人に1人くらいの割合ともいわれます。
逆流性食道炎は胃酸や胃の内容物が逆流することによって、食道の粘膜に炎症を起してしまう疾患です。
症状としては胸やけ、食物の逆流、みぞおちの痛み、むかつき、吐き気、げっぷ、喉の違和感や痰の絡んだ感じ、空咳など非常に多彩な症状がみられます。
その程度によりグレードAからDまでに分類されています。
また症候性胃食道逆流症はグレードN(Normal 正常)もしくはグレードM(Minimum 微小変化)の状態になります。
私の食道の内視鏡所見はグレードAでした。
また食道裂孔ヘルニアもみられました。
食道裂孔ヘルニアとは下部食道括約筋の圧が低くなり胃の一部がはみ出すように胸の方に飛び出した状態のことです。
下部食道括約筋というのは食道裂孔を食物が通るとき以外は閉めておく筋肉です。
横隔膜という胸とお腹を隔てる膜に食道裂孔という穴が開いていて、そこを食道が通っているのですが、食道の出口を閉めて逆流を防いでいる括約筋が下部食道括約筋です。
食道裂孔ヘルニアがあると、逆流を防ぐ筋肉が緩んでしまっているために容易に逆流するようになってしまいます。
つまり逆流性食道炎を起こしやすい形態になってしまっているということです。
逆流性食道炎の原因として食道裂孔ヘルニアは形態的なものですが、その他に逆流をしやすい生活習慣、もしくは胃酸が多い状態が挙げられます。
生活習慣としては、いつもたくさんの量を急いで食べていたりすると、下部食道括約筋の圧が低くなりやすくなります。
また胃にものがある状態で横になってしまえば、逆流が起りやすくなります。
横にならないまでも食べてすぐに前かがみになったりするのも逆流の原因になります。
また胃の中に長く残る食べ物や胃酸を増やす食べ物は逆流性食道炎の原因となります。
その他、お腹の圧が高まって逆流しやすい状態を作ったり(お腹を閉めるような服を着たり、腹圧をかける運動をしたり)、食道の知覚自体が過敏になった状態も原因となります。
ですから食道炎の予防、もしくは症状のある人がその症状を軽減させるためには、原因となることを生活の中で避けていけばよいのです。
ゆっくりとよく噛んで食べるようにして、食べた後はすぐに横になったり前かがみになったりするのを避けます。
夕食も早めの時間にとるようにして、昼も食べた後に寝たりするのはやめます。
胃の中に長く残る消化の悪いものをなるべく避け、食べる時には量を少なめにして、柔らかくしたり、細かくしたり、よく噛んだりするなどの工夫が必要です。
胃酸が増える食べ物もなるべく避けます。
味の極端なものをそればかり取るのもよくありません。
辛いものばかり、甘いものばかり、酸っぱいものばかりという食べ方をすると胃酸が増えますので、バランスよくとることが重要です。
内視鏡にて逆流性食道炎の所見がなく、食事や生活にいくら注意しても症状が出てしまう場合は、食道の知覚が過敏になっていたり、胃の機能が落ちてなかなか消化できなかったり、胃酸が異様に増えている状態が考えられます。
これらにはストレスや心配事などが関係します。
心にストレスがかかったり、心配事や不安感があると、自律神経のコントロールが悪くなり胃の働きがおちます。
またストレスがかかった時に分泌されるストレス回避ホルモンは胃酸を増加させます。
治療はまずは生活や食事の注意から初めて、効果がなければ胃酸を減らす内服薬を服用します。
内服薬は通常よく効きます。
内視鏡で異常がなく、生活に注意しても内服しても症状が全く取れていかない場合は心の方から症状が出ている可能性が高いです。
私のクリニックでは心と身体を分けずに見ますので、どちらも適切に治療をすることができます。ぜひご相談を。
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