横浜つづきクリニック

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クリニックブログ

胃カメラ(上部消化管内視鏡)とピロリ菌

2020年03月02日

クリニック

皆様はピロリ菌をご存じでしょうか。

胃粘膜に生息するヘリコバクター・ピロリという細菌で、今ではかなり有名な細菌ですので、ご存じの方も多いかと思います。

 

ピロリ菌はオーストラリアのウォーレンとマーシャルという2人の医師によって1982年に発見されました。

彼らはこの功績により2005年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

 

胃の中には強い胃酸があるため、長年細菌は生息できないと考えられていましたが、ピロリ菌はウレアーゼという酵素をだしてアルカリ性のアンモニアを作り出し、胃酸を中和して生息しているのです。

ヘリコバクターのヘリコは螺旋のことで、バクターは細菌の意味です。

ピロリというのは胃の出口近くの幽門のことで、ヘリコバクター・ピロリとは胃の幽門に生息する螺旋形の細菌という意味です。

 

細菌ですので、感染により胃に住みつくようになるのですが、その原因、感染経路は実ははっきりとはわかっていませんが、口から入って感染することは確かなようです。

 

ほとんどが乳幼児期に感染すると言われており、大人になってからの日常生活で感染することは少ないと考えられています。

ピロリ菌の感染は慢性萎縮性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、そして胃癌の原因になります。

感染を予防するのは難しいのですが、治療をすることができ、胃カメラを受けることによって、ピロリ菌に感染しているか否かを、おおよそ判断することができます。

感染が疑われる場合は保険適応でピロリ菌の検査をすることができますので、カメラの時に同時にピロリ菌の検査をし、陽性であればピロリ菌に感染していることになるので、除菌治療の適応になります。

除菌は抗生剤と胃薬の内服になり、胃薬も抗生剤も常用量よりも多く、1回に計5錠、1日2回を1週間内服し、内服後1か月以上開けて除菌が成功したかどうかを確認するために、尿素呼気試験を行います。

試薬を飲んで息を吐いて行う検査で、この検査は必ず行う必要があり、除菌に失敗することがあり、多くはピロリ菌が抗生剤に対して耐性を持っている場合です。

除菌の薬を内服して安心していたら、除菌が失敗している事があるので、除菌に失敗したら二次除菌に入ります。

抗生剤を変更して同じように1週間内服しますが一次除菌で失敗するのは2割弱くらいです。

二次除菌の除菌率は9割くらいありますので、ほとんどの方は二次除菌までで除菌できます。

除菌することによって十二指腸潰瘍の再発率は90%から15%ほどに、胃潰瘍は85%から25%ほどに低下し、

胃がんを発症する可能性も1/3くらいになると言われています。

除菌ができてピロリ菌が胃内に生息しなくなっても、胃がんになる確率が0%になるわけではないので、定期的な胃カメラの検査は行っていった方がよいでしょう。

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