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横浜つづきクリニック
-内視鏡内科 心療内科 内科-
2020年03月21日
大腸カメラ
コロンというのは大腸という意味です。
ですが、クリーンコロンというのはきれいな大腸という意味ではもちろんありません。
最近はあまり聞かなくなってきていますが、多くは小さなポリープもすべて切除したきれいな大腸という意味が多いようです。
中には2年連続で内視鏡検査をしてポリープがない状態をクリーンコロンといっているものもあります。
海外の臨床研究で、定期的に内視鏡を行って小さなポリープも含めて大腸腺腫(ポリープの種類)をすべて切除してきれいな大腸(クリーンコロン clean colon)とした場合、大腸がんで亡くなる率(死亡率)が圧倒的に下がるというものです。
つまり数年に1回の大腸内視鏡を行い、小さなポリープも切除(切り取ること)してきれいな大腸を保つようにすれば、大腸がんになる確率が圧倒的に低くなるということです。
しかしポリープの切除は内視鏡の手術であり、出血などのリスクもあります。
リスクのことを考えると小さなポリープを切除することは、その利点と欠点を秤にかけて切除しない場合が多かったわけです。
以前は大腸のポリープを切除するのに熱で焼き切っていました。
熱で焼き切ると、その部分がやけどのような状態になり、やけどで傷んだ部分はその後も少し広がります。
そこに血管があれば血管までやけどが進んだところで出血します。
つまり手術の時には出血せずに、あとで出血してしまうことがあるのです。
これを後出血(こうしゅっけつ)と言い、熱で焼き切るのは手術の手間もかかります。
手間もかかる上に後出血するリスクも考えると小さなポリープは大きくなったら取りましょうという場合は多かったわけです。
最近は熱を使わずに切除するコールドポリペクトミー(cold polypectomy)が主流になっています。
これは、切除する際に熱を使用せずにそのまま粘膜をスパッと切ってポリープを切除する方法です。
熱を使用しないで切除するわけですから、その時には出血します。
出血がすぐに止まらない場合は医療用のクリップを使用して止血しておきます。
熱を使っていないからやけどをしていない状態なので、その場での出血以上の出血が後で起こることが少ないわけです。
統計的にも圧倒的に後出血が少ないというデータがあります。
それに熱を使う準備をしないで行えるので、より短時間で切除できます。
より簡便にしかも安全に複数のポリープを切除することができるということです。
このコールドポリペクトミーが主流になったため、切除の道具もいいものがたくさん出てきました。
コールドポリペクトミースネアやジャンボカップ鉗子等です。
これらを使用していけば安全に、素早くポリープを切除することができますので、受ける患者様も楽になりました。
人によっては小さなポリープが10個以上ある場合もあり、小さなポリープですからすぐにがんにはならず、がんになるには何年もかかります。
10個以上ある場合は2年くらいかけてすべてのポリープを切除していけばよく、そうすればクリーンコロンになります。
クリーンコロンになったならば、数年に一度大腸内視鏡を受けて、新たにできた小さなポリープを切除していき、いつもクリーンコロンに保っていけば、大腸がんになることはまずありません。
もちろん当院ではコールドポリペクトミーは主流ですし、切除のために道具は(現時点で)最新のものを用意しています。
しかも痛みに最大限考慮した挿入方法を取り入れているので、楽に検査が受けることができます。
楽に検査が受けられれば、次回の検査に来るのも嫌ではなくなります。
何度も言いますが大腸がんはその発症率、死亡率ともに日本では男女合わせるとワースト1です。
最も多いがんで、そのせいで亡くなる方も最も多いということです。
大腸がんは防げるがんです。
定期的に内視鏡さえ受けてさえいれば、失わずに済む命がたくさんあるのです。
大腸がん検診で行うのは便潜血検査で、便潜血検査は大腸ポリープの方の30%にしか陽性になりません。
せめてこれを読まれている皆さんは定期的に大腸内視鏡を受けて大腸がんにならないようにしてください。
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