横浜つづきクリニック

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クリニックブログ

愛着障害

2020年03月06日

心療内科

私が心療内科を始めたころ、急速に知識を詰め込む必要があったので、ずいぶんたくさん関連本を読みました。

教科書的な本もたくさん読みましたが、一般向けの本もよりたくさん読みました。

なかでも岡田尊司先生の本は読みやすいこともあって何冊も読みました。

愛着障害について何冊も本を書かれているのですが、心療内科の診察に非常に役に立っています。

 

人が人と付き合う、対人関係にはその人それぞれのパターンがあります。

そのパターンは心の奥深いところにある、愛着スタイルによって支配されています。

 

愛着スタイルには「安定型」と「不安定型」があります。

「不安定型」は更に「不安型」と「回避型」、「恐れー回避型」に分けられます。

 

「安定型」の愛着スタイルを持った人は、対人関係でも仕事でも、高い適応能力を持っています。

人としっかりとした深い信頼関係を結ぶことが出来、相手に対してきちんと自分を主張して、しかも不要な衝突は避けられます。

困ったときには上手に人に助けを求めることもできるし、自分のことを自分で守ることもできます。

健全な自己肯定感も持てるためストレスに強く、うつに陥ることもめったにありません。

 

「不安型」の愛着スタイルを持った人は、いつも人に気を使っているので疲れてしまいます。

上司や同僚だけではなく、自分の恋人や家族に対してまで相手の顔色を異常に気にします。

自己アピールがうまくできなくて、本心を抑えて人に合わせてしまいます。

そしてそういう自分に自己嫌悪感をもっているので、相手の反応をつい悪い方に取ってしまいがちです。

人に嫌われたくない、人に受け入れてもらいたいという欲求が強いため、気遣いしすぎるうえに、相手にも同じくらいの気遣いを求めてしまい空回りしてしまいます。

強く相手を求めているのに、拒絶されるのが怖いために相手を逆に拒絶してしまうこともあります。

 

それに対して「回避型」の愛着スタイルを持った人は、距離を置いた対人関係を好み、親密さは重みに感じてしまいます。

縛られたくないので人に依存もしないかわりに人から依存されることを迷惑と感じます。

仲間と一緒にいても否定的な意見が多く、自分に責任がかかることを避けようとします。

人とぶつかることが嫌いで、一歩引いて衝突を避けることが多いのに、人の気持ちに無頓着なため、急に攻撃的になって相手を傷つけてしまうこともあります。

人に悩みを相談されたとしても、共感ができないため、関心がないように見えてしまいます。

そして「不安型」、「回避型」のいずれもが強いものを「恐れ・回避型」と言います。

 

このような、「安定型」以外の愛着スタイルを持っている人は、抑うつ気分に陥りやすいですし、人間関係も器用にできませんので適応障害にも陥りやすいのです。

そして「安定型」以外の愛着スタイルを持つ人は成人の1/3にも達すると言われています。私も以前は「恐れ・回避型」の愛着スタイルでした。

このような不安定な愛着スタイルの人がもつ愛着の傷の修復には安全基地が必要になります。

そのためには話すことが大切です。

一人ひとりの物語を語ることです。

その物語を否定的なことを一切言わずに丸ごと聞いてくれて大切にしてくれる存在が必要なのです。

そのような安全基地を幸いにも持っている人もいれば、不幸にも一つも持たない人もいます。

 

私たちのクリニックは一つのチームです。

来院された方々すべての安全基地になりたいと思っています。

チーム一丸となって時間をかけて癒していきます。

安全基地でゆっくりと時間をかけて自分の物語を話していくことによって、ありのままの自分を知り、ありのままの自分を愛することが出来るようになります。

そしてかならず幸せを感じることが出来るはずです。

だって、人は幸せになるために生まれてきたのですから。

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