胃潰瘍とは、胃酸などの攻撃により胃粘膜に深い傷ができ、その部分の粘膜が消失して粘膜の下の筋層まで傷が達している状態です。
肉眼で見るとくぼみ状、月のクレーターのような形状をしています。
粘膜が消失していく過程で血管が露出し(露出血管)、その血管を傷つけると出血します。
出血により吐血(血液を嘔吐)したり、黒色便(墨のような黒いベタベタした便で「タール便」ともいいます)がみられたりします。
また、潰瘍が深くなると胃に穴が開く「胃穿孔(いせんこう)」になることもあります。
場合によっては腹膜炎を強く起こして緊急手術が必要になります。
十二指腸潰瘍は比較的若い世代に多くみられます。
胃潰瘍と同様に、胃酸によって粘膜が傷つけられた状態です。
「球部」と呼ばれる十二指腸の入り口に潰瘍ができることが多く、出血しても血液が小腸に流れていくため、吐血よりも黒色便が多くみられます。
十二指腸は胃より臓器の壁が薄いため、穴が開く確率が高くなります。