IBS(アイ・ビー・エス)は「irritable bowel syndrome」の略で、日本語では「過敏性腸症候群」と呼ばれています。
irritableを「過敏性」と訳しているわけですが、irritableは元来イライラして怒っている様子を表す言葉で、「怒れる腸症候群」というのが本来のイメージです。
明らかな原因の心当たりがなく、検査をしても炎症や腫瘍などがみられないにもかかわらず、腸が怒ったように下痢や便秘を繰り返しておなかが痛くなる――IBSとはそんな病気です。
病院に受診しない人も含めると、日本人の約20%がIBSであるといわれています。
症状の個人差が大きく、仕事や生活に全く支障がない人もいれば、排便の悩みで生活が立ち行かなくなる人もいます。
そのため、医療機関を受診する人の大半は症状が強く、苦しい思いをしているのに、周囲の人に理解されづらいのです。
おなかの調子に日常が支配され、しかもそれが理解されないとなれば、大変つらいことでしょう。