胃の粘膜に炎症を起こした状態を胃炎といい、急性胃炎と慢性胃炎に分けられます。
急性胃炎は基本的に一過性で、細菌やウイルス感染、急激なストレスや暴飲暴食、薬の副作用などによって起こります。
一方、慢性胃炎は、長期にわたって胃の粘膜に炎症がみられる状態を指します。
かつてその原因は、加齢や慢性的なストレスによるものと考えられていました。
しかし、1982年にヘリコバクター・ピロリ、通称「ピロリ菌」が発見されて以来、この細菌に長期感染することで慢性胃炎が引き起こされることが分かりました。
また、従来から慢性胃炎には、萎縮性胃炎、表層性胃炎、びらん性胃炎などの分類がありますが、このうちピロリ菌が関与するのが、萎縮性胃炎です(後述)。