そのネーミングから、発達障害とは何らかの能力の発達に障害があって劣っている人のことだと理解している人が多いようです。
しかし、私たち心療内科医は、発達障害を「病気」と捉えるのではなく、ある種の極端な傾向を持った「特性」と考えます。
ADHDの人は気が散りやすく、じっとしていられず、そそっかしいところがあり、ASDの人は空気を読むのが苦手で対人関係がうまくいかず、ある特定の物事に強いこだわりを持ちます。
実際、このような人はどこにでもいるし、誰でも少しは当てはまるものです。
発達“障害”というからには、障害域にある(障害があると認められる)ものをいいます。
診断基準にも「症状は社会や職業その他の重要な機能に重大な障害を引き起こしている」とあります。
したがって、じっとしていられずにそそっかしかろうと、空気を読むのが苦手で物事へのこだわりが強かろうと、生活に支障がない程度であれば、障害域にあるとはいえません。
ADHD、ASD、LDそれぞれの特徴、診断基準などについて解説します。