生涯のうちにおよそ人口の1~3%、つまり100人中1~3人くらいがパニック障害を発症するといわれ、心療内科の外来では、うつや適応障害に次いで多くみられる病気の一つです。
初回の発作は、何か不安なことがあったり、誰かとけんかした後などに、動悸や息苦しさ、めまいなどの症状が突然襲ってきます。
そしてその症状は短時間のうちに最高度に達し、死の恐怖や発狂しそうな恐怖を伴います(パニック発作)。
このことは深く心に刻まれ、「あの苦しさにまた襲われるかもしれない」という恐怖感が生じます(「予期不安」)。
2回目以降は、逃げるに逃げられないような場所に対して特に恐怖を感じるようになります。
例えば電車や車などの交通手段、人混みやエレベーター、美容院や歯科医院など「ここでまた同じような発作が起こったら大変だ」という場所や状況で、予期不安が起こることが多くなります(広場恐怖)。
すると、そのような場所を避けるようになっていきます。
電車などの乗り物に乗れなくなることも多いので、生活に支障が出てきてしまうわけです。
しかし、パニック障害は治療によって改善が期待できるので、生活に支障が出始めた時点で早めに治療することをお勧めします。
長年この病状に悩み続けると、できないことには近寄らなくなってしまいます(危険回避、回避行動)。
予期不安が起こる場所やシチュエーションを避け続ける期間が長ければ長いほど、治療抵抗性が強くなる(改善効果が出にくい)のです。
また、栄養療法も非常に有効です。
原因を誘発するような栄養素を避け、パニック発作の予防に必要な栄養素を多く摂ることで、予期不安は徐々に減っていきます。