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風邪・咳喘息

風邪とは

風邪(普通感冒)とはさまざまなウイルスによって起こる症状の症候群で、大半が自然によくなります。
しかし、いわゆる「風邪をひいた」人すべての症状がウイルス性ではなく、少数ながら細菌が原因のものがあり、中には重症化する「単純な風邪ではない」ウイルス性疾患もあります。
ウイルス性のものは症状緩和目的の対症療法が中心になりますが、その中で経過観察をしながら数少ない細菌性のものを見つけ出し、適切な治療を行っていくことが重要です。
鼻、喉、咳に症状がみられるのが普通感冒の特徴で、鼻症状がメインの鼻腔炎・副鼻腔炎、喉症状がメインの咽頭炎・扁桃炎、そして咳症状がメインの気管支炎・上気道炎に大きく分かれます。
そのほか高熱だけのもの、微熱や倦怠感が続くもの、下痢や嘔吐、腹痛を伴うもの、頭痛だけのものや発疹を伴うものなどがあり、これらを見極めて治療します。
なお、ウイルス性の風邪に抗菌薬の効果はなく、風邪の初期から使用する必要性はほとんどありません。
細菌性の疑いが強い、あるいは経過が思わしくない場合にのみ抗菌薬を使用します。
例えば肺炎や副鼻腔炎、扁桃腺膿瘍の予防に使用しても効果がないどころか、不適切な使用は耐性菌を作る可能性があります。
抗菌薬は必要性を見極めた上で適切に使用することが何より大切です。

風邪

風邪の症状と治療

あなたの症状は?
① 咳、鼻、喉の症状が同時に出る
② 鼻の症状が主
③ 喉の症状を主
④ 咳の症状の主
⑤ 高熱の症状が主

① 咳、鼻、喉の症状が同時に出る風邪
咳、鼻、喉の症状が同時に出現する場合はまさに普通感冒といえます。 ほとんどはウイルス性で、細菌性のものやその他の重大な病気が潜んでいる可能性はかなり低くなります。
ウイルス性であれば抗菌薬は当然不要で、自然に回復していく可能性も高いです。
ただし、自然軽快する経過をたどっていながら症状が悪化した場合は、細菌感染の合併を疑います。
治療は対症療法になります。
発熱や関節痛、頭痛には副作用の少ない軽めの消炎鎮痛薬、咳や鼻水には鎮咳薬や抗アレルギー薬など、症状に合わせて使用します。
風邪と漢方薬は非常に相性が良く、より細かい症状に対応可能なことから、当クリニックでは漢方薬も積極的に使用しています。
② 鼻の症状が主な風邪:急性鼻炎、副鼻腔炎
くしゃみ、鼻水、鼻づまり(鼻閉)が主症状で、咳や喉の痛みはあまりみられません。
このタイプは風邪が一度治まった後、ぶり返すようにみられることも多いです。
特に細菌性副鼻腔炎になった場合には、抗菌薬の使用が必要となるのがポイントです。
急性鼻炎、副鼻腔炎の考え方
・軽症の副鼻腔炎には抗菌薬は使用しない
・急性鼻炎の症状が1週間以上続く場合は細菌性を考える
・咳、鼻、喉の上気道感染後、いったん軽快してから悪化した鼻炎症状は細菌性
・膿性鼻汁、鼻づまりと顔面痛、圧迫感が強い場合は細菌性
軽症には抗アレルギー薬や点鼻薬、副作用の少ない軽い消炎鎮痛薬を使用し、細菌性副鼻腔炎が疑われる場合には抗菌薬を使用します。
ただし、当院では細菌性副鼻腔炎予防のための抗菌薬は処方しません。
鼻炎の症状に合わせた選択肢が多い漢方薬は、鼻の症状が主な風邪とも相性が良いです。
③ 喉の症状が主な風邪:急性咽頭炎、扁桃炎
大半がウイルス性で、細菌性は10%前後です。咽頭炎を起こす細菌としては、溶連菌(溶血性連鎖球菌)が挙げられます。
このタイプには伝染性単核球症(EBウイルス感染症)がみられ、首の後ろのリンパ節が腫れることがあります。
感染すると血液中の白血球が急増しますが、採血をして白血球(好中球、好酸球、好塩基球、単球、リンパ球)の中でリンパ球(単核球)の基準値が高ければ、伝染性単核球症の可能性が高いです。
軽症の咽頭炎や扁桃炎であれば副作用の少ない軽い消炎鎮痛薬のみ、溶連菌の約90%を占めるというA群溶連菌感染と診断されたときは、抗菌薬を使用します。
溶連菌感染の検査としては、迅速抗体検査(イムノクロマト法)があります。
ウイルス性の咽頭炎、扁桃炎の場合は漢方薬による治療も可能です。
咽頭炎の中には、急性喉頭蓋炎、扁桃周囲膿瘍など、まれに重症化するものもあるため、咽頭の激痛や開口障害を伴う場合は注意が必要です。
④ 咳の症状が主な風邪:急性上気道炎、気管支炎、咳喘息
急性上気道炎による咳は長く続くことが珍しくなく、平均でも2~3週間は持続します。
3~8週続く咳を遷延性(せんえんせい)、8週以上続くものを慢性といいます。
咳が長く続く場合は後鼻漏(上気道咳症候群)、咳喘息、マイコプラズマ肺炎、百日咳、肺結核、肺がん、逆流性食道炎などが考えられます。
後鼻漏では鼻水が喉に垂れ込んだ症状があり、抗アレルギー薬も使用します。
長引く咳で最も頻度の高いのが咳喘息です。
吸入薬や抗アレルギー薬を用いて治療します。
百日咳は抗体検査やLAMP法(後鼻腔ぬぐい液による抗体検査)で診断します。
診断されれば抗菌薬治療を行うことになりますが、効果があるのは発症から2週間以内です。
また、長く続く咳は、肺炎との鑑別が必要です。胸部の聴診で異常所見がみられ、高熱や呼吸苦、頻脈などの症状があれば、胸部X線写真を撮影し、肺結核や肺がんなどになっていないか確認します。
急性上気道炎や急性気管支炎には、抗菌薬は原則不要ですが、黄色や緑色の膿性のたんや乾いた咳が続く場合は、肺炎やマイコプラズマ感染も考慮して抗菌薬を使用します。
肺炎を積極的に疑わない上気道炎や気管支炎には、中枢性の鎮咳薬に加え、抗アレルギー薬や吸入ステロイド薬を用いて治療します。
咳を主症状とする風邪にも、漢方薬による治療は有効です。
⑤ 高熱が主な症状の風邪
ほかの症状が目立たず、高熱が続く場合は注意が必要です。
インフルエンザ以外で高熱が出る場合は、敗血症や腎盂腎炎(じんうじんえん)、髄膜炎、前立腺炎、胆管炎、肝膿瘍、心内膜炎、心筋炎、亜急性甲状腺炎、マラリア、リケッチア感染症などが考えられます。
高熱のみの場合はほとんどがウイルス性疾患ですが、中には重症化し、入院が必要になる場合もあります。
高熱のみと思っていても、首のリンパ節が腫れる、ひどい頭痛や背中が痛いなど、実はほかの症状も隠れていることがあります。
鼻、喉、咳の症状がそろっている風邪の場合はむしろ軽症のことが多く、症状の強さと病状の重さが比例しやすいのが特徴です。
ゆっくりと身体を休めることが最も重要です。
症状が重い、または長引く場合は風邪だからといって甘く見ずに医療機関を受診しましょう。

安心感の提供も医療の重要な役割

新型コロナウイルスの流行を経験し、いくつか明らかになったことがあります。
一つは、人混みに入らず、手洗いをしっかりとして予防対策をすれば、ほとんど風邪をひかないということです。
そして、ほとんどの風邪は、自宅でゆっくりと休養を取れば治るということです。
もう一つは、不安感が身体の症状を生み出してしまう人が、いかに多いのかということです。
「新型コロナウイルスに感染したかもしれない」という不安感が、息苦しさを生み、喉の違和感を生み、咳を生み出し、それらがさらに不安感を強めて体調を悪化させるという負のループに入り込んでしまうのです。
そういった人に安心感を提供していくことも、今後の医療現場では重要になると思います。

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