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過敏性腸症候群(IBS)

IBSとは

IBS(アイ・ビー・エス)は「irritable bowel syndrome」の略で、日本語では「過敏性腸症候群」と呼ばれています。
irritableを「過敏性」と訳しているわけですが、irritableは元来イライラして怒っている様子を表す言葉で、「怒れる腸症候群」というのが本来のイメージです。
明らかな原因の心当たりがなく、検査をしても炎症や腫瘍などがみられないにもかかわらず、腸が怒ったように下痢や便秘を繰り返しておなかが痛くなる――IBSとはそんな病気です。
病院に受診しない人も含めると、日本人の約20%がIBSであるといわれています。
症状の個人差が大きく、仕事や生活に全く支障がない人もいれば、排便の悩みで生活が立ち行かなくなる人もいます。
そのため、医療機関を受診する人の大半は症状が強く、苦しい思いをしているのに、周囲の人に理解されづらいのです。
おなかの調子に日常が支配され、しかもそれが理解されないとなれば、大変つらいことでしょう。

原因・症状

①大腸の形態などの体質

大腸が複雑に曲がりくねったり、ねじれていたりすると(腸管形態異常)、便の停滞時間が長くなり、腸管の運動が過剰になったり、水分の過吸収や吸収障害を起こしたりして、便秘や下痢を起こすことがあります。
また、食後の胆汁(脂肪の消化を助ける液体)分泌が、大腸の過剰反応を引き起こすこともあります。
こうした体質的なものは、IBSの発症に大きく関与していると考えられます。
一方、緊張感や不安感は自律神経に作用し、腸の収縮運動を活発にします。
IBSを発症する人は体質的にこの消化運動の変化がより大きく(腸管運動異常)、大腸の知覚も大きいため(内臓知覚過敏)、痛みを感じやすくなっています。
この体質による腹痛や便秘、下痢などの症状は、思春期くらいから出始め、加齢とともに軽くなっていく人も多いといわれています。

②ストレス
ただし、体質だけですべての人が発症するわけではありません。
症状を引き起こすきっかけは、多くの場合「ストレス」による心理的負担です。
腹痛を伴う便秘や下痢の症状は、きついものです。
外出中はいつどこでもトイレに行けるわけではなく、このことが外出することへの恐怖感を生み、ストレスと認識されます。
その結果、外出しようとするだけで大腸の収縮運動が盛んになり、症状が出るようになります。
職場や学校でおなかが痛くなったらどうしよう、と思うのは自然なことです。
やがて、いつおなかが痛くなるのか、いつ下痢になるのか、便がまた出なくなったらどうしよう……と、いつもおなかや排便のことに気持ちが向くようになってしまいます。
この悪循環で腸管の働きが影響を受けて、四六時中おなかの調子が悪くなってしまうのです。
③腸の炎症、遺伝子変異
なお、IBSのはっきりとした原因はまだ分かっていません。
一過性の炎症による腸内フローラ(腸内細菌の集合体)のバランスの変化や、遺伝子的な変異による脳と腸の神経伝達の異常などが関与するという仮説があり、研究が進んでいます。

検査・診断

①ほかの病気を除外
まず、大腸の検査を行って、ほかの病気がないことを確認(除外)する必要があります。
異常がない場合に限り、症状からIBSを診断するわけです。

除外すべき病気
■急性の病気 …IBSに似た症状を示すことがあります
 ・急性胃腸炎(細菌性腸炎、ウイルス性腸炎など)
 ・急性膵炎

■慢性の病気
 ・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)
 ・大腸がん

■腸管以外の病気 …便通異常を伴う腹痛を起こすことがあります
 ・糖尿病、膠原病(こうげんびょう)、甲状腺機能障害、膵臓がんなど

■大腸に接する臓器の炎症 …下痢や腹痛を伴うことがあります
 ・婦人科疾患、腎盂腎炎(じんうじんえん)、前立腺炎など
②症状により判定
ほかの病気を除外した上で、症状により診断します。
IBSによる症状を判定するためによく使われている診断基準が、以下の「ローマ基準(Rome IV)」です。
IBSの診断基準(Rome IV)繰り返す腹痛が、最近3カ月の間に平均して週に1日以上存在し、それらの症状が以下の3つのうち2つ以上を伴う(便通異常)
 1)症状が排便により軽快する
 2)症状の発現が排便頻度の変化を伴う
 3)症状の発現が便性状(便の外観)の変化を伴う
6カ月以上前から症状があり、最近3カ月間は上記の基準を満たす
簡単にいうと、平均して週に1日以上腹痛があり、下痢や便秘の症状が排便で楽になるようであれば、IBSと診断されます。
情動性変化(感情)やストレスで病状が悪化することは、診断基準には入っていません。
この点がよく誤解されています。医療従事者でさえも、IBSとは「精神的に下痢をしたり便秘をしたりする」ものだと認識している人もいるほどです。
③どのタイプかを確認
IBSと診断されると、症状から以下の3つのタイプと分類不能型に分けられます。

表:IBSの3つのタイプ
下痢型軟便や水様便が25%
以上硬い便やコロコロ(兎糞状)の便が25%未満
便秘型硬い便やコロコロの便が25%
以上軟便や水様便が25%未満
味を苦く感じたり、鈍くなったりすることがありますが、多くの場合は一過性のものです。
混合型硬い便やコロコロの便が25%以上
軟便や水様便も25%以上
※分類不能型:どのタイプにも当てはめられないもの

この分類をまず行い、そのほかにストレスや情動性変化に症状が大きく関わっていないか、腸管の形態に問題はないか、腹痛と食事に関係はないかなども問診で確認します。
また、IBSの人は逆流性食道炎の症状や、吐き気、膨満感、げっぷやおならなどの症状を伴うことも多く、それらも丁寧に確認していく必要があります。

治療

生活習慣の改善

薬による治療に入る前に、まずは生活習慣を改善することが重要です。

■食事
 ・三食規則正しくとり、ゆっくりと時間をかけてよく噛んで食べましょう。
 ・下痢型の人は、アルコールを極力避けましょう。
 ・脂質を摂りすぎないようにし、適量にとどめましょう。

■睡眠
 ・早めに布団に入り、少し早めに起きるようにしましょう。

■ゆとりある生活
 ・たとえば、朝の通学・通勤時に1本早めの電車やバスに乗ってみるだけで、ずいぶん気分が楽になります。

■運動
 ・運動、マッサージ:便秘型で、特に腸管が長い人や走行が複雑な人に有効です。
 ・体幹の筋力トレーニング:腸管を支え、排便を促す内在筋(骨盤底筋・肛門括約筋など)を鍛えるのに有効です。
薬による治療

症状に合わせて薬を選択していきます。
表:IBSで使用する主な治療薬

③ストレスへの対応
食事などの生活習慣の改善とともに薬を内服しても、症状がよくならないことがあります。
病悩期間が長い、症状が強くて生活に支障が出ている、学校や仕事で明らかにストレスを受けている場合などは、症状がかなり深刻になっていることが多く、なかなか薬も効きません。
内服の効果が出ないことから再度検査を行い、また新たに薬を出されても効かない。
だから病院を変えて……という悪循環に陥っていることも多いのです。
何がストレスなのかを見極め、場合によっては学校や仕事を休むことも必要です。
また、排便は生きる上で非常に重要で、便通異常があると生活が脅かされます。
そのこと自体がひどいストレスとなって、さらに病状を悪化させます。
この場合、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などの抗うつ薬が有効なことがあります。

IBSがよくならなくてお悩みの人は、ぜひ当クリニックにご相談ください。
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