未来の自分へ恩送りー私が毎年書いている手紙の話
こんにちは、髙杉です。今日は私の日常のお話をします。
はじめに
みなさんは、未来の自分に手紙を書いたことはありますか?
私は毎年、「灯火レター」というサービスを利用して、この時期に1年後の自分に向けて手紙を書いています。これは、東京・蔵前にある「自由丁」というお店のサービスで、書いた手紙を1年間預かってもらい、1年後のちょうど同じ日付に、指定した住所へ届けてもらうというものです。
最初は「面白そうだからやってみよう」くらいの気持ちでした。しかし続けているうちに、単なる娯楽ではなく、自分にとって大切な習慣になりました。今日は、この手紙にまつわるお話をしたいと思います。
灯火レターとは?
灯火レターは、1年後の自分に手紙を送れるサービスです。蔵前の店舗で体験することもできますし、オンラインショップでキットを購入すれば、自宅から利用することもできます。私もここ数年は、キットを使って自宅で書いています。
キットには、自分自身を振り返るための質問カードが入っています。「最近どんなことを考えているか」「どんなことを大切にしているか」「どんな気持ちで毎日を過ごしているか」。そんな問いに答えながら、今の自分と向き合います。
それから1年後の自分へ手紙を書いて封をし、自由丁宛に郵送します。仕組みとしてはとてもシンプルです。でも、このシンプルな体験には、不思議な力があります。
1年前の自分から届く手紙
毎年手紙が届くたびに思うことがあります。箱根日帰り旅行の記事にも書いたことですが、「人生の方向性は案外変わらない」ということです。
1年前の手紙を読むと、自分なりに一生懸命生きていたことがわかります。成長したいと思っている。誰かを大切にしたいと思っている。健康でいたいと思っている。そういう根っこの部分は、意外なほど変わっていません。
一方で、具体的な状況は大きく変わっています。当時悩んでいたことが解決していたり、乗り越えていたりすることも少なくありません。
特に不思議なのは、人間関係の悩みです。当時は本当に苦しくて、「この気持ちはずっと続くのではないか」と思っていたことでも、1年後には穏やかな気持ちで振り返れるようになっていることがあります。
もちろん新しい課題も生まれています。でも、振り返ると少しずつ前に進んでいる。そんなことを毎年確認できます。
私が手紙に書いていること
灯火レターを書くとき、私はまずリフレクションカードの質問に答えます。それによって、「今の自分がどんな状態なのか」が整理されます。
その後、1年後の自分へ手紙を書きます。今どんなことで悩んでいるのか。何を目指しているのか。そして、そのためにこれから1年間どんな努力をするつもりなのか。未来の自分への約束を書くのです。
さらに私は、おまけとして1年前の自分へのお返事も書いています。「あなたが決意して頑張ってくれたおかげで、今の私はこうなりました」。そんな感謝の手紙です。
また、体重や運動習慣、勉強していることなども記録しています。筋トレの重量や勉強アプリ内での順位のような数字も書いておきます。
さらに、その日に着ていた服、つけていた香水、流していた音楽、使ったペン、部屋に飾っていた花なども書き残しています。その日の自分の写真を1枚入れることもあります。すると、1年後に開封したとき、その日の空気ごと記憶が蘇ってくるのです。
年次レビューとは違う
年末の記事でも紹介したとおり、私は毎年、年末年始に1年のレビューも行っています。こちらはかなり分析的です。目標は達成できたか。どんな成果があったか。数字やデータを中心に振り返り、記録し、翌年の目標を立てます。いわば人生の年次報告書のようなものです。
灯火レターはまったく違います。網羅的ではありません。客観的でもありません。その瞬間に頭に浮かんだこと、そのとき感じていることを切り取って残します。
年次レビューが1年間のすべてを分析するものだとしたら、灯火レターは1年ごとに、その日のその瞬間を保存するもの。そんな違いがあるように思います。
未来の自分への恩送り
灯火レターに取り組むことで得られる一番大きな変化は、自然に決意が湧いてくることだと感じています。手紙そのものにも力がありますが、特に故人からの手紙というのは、ものすごく影響力がありますよね。1年前の自分はいまはもういないので、それに近いインパクトを私は感じます。
もうここにはいないけれど、あのときの自分が決意してくれた。行動してくれた。諦めなかった。だからいまの自分がいる。もちろん完璧ではありません。できなかったこと、守れなかった約束もあります。それでも、あのときの自分なりに精一杯頑張ってくれたことが伝わってきて、「本当にありがとう」と思うのです。
すると不思議なことに、「あなたが私のためにこんなに頑張ってくれたなら、私も1年後で待っているあなたのために頑張って何か残してあげたい」という気持ちになります。
もっと健康的な生活をすること。新しいことに挑戦すること。地道な努力を続けること。苦しい現実と向き合うこと。過去の自分への感謝を、1年後の自分へ送る、未来の自分へのいわゆる恩送りです。
おわりに
最初の頃は、手紙を書くたびに思っていました。「1年後の自分がどうなっているかなんて分からない」と。今もそれは変わりません。未来は予測できません。新しい悩みも生まれるでしょう。思い通りにならないこともあるでしょう。
それでも、毎年手紙を読み返すたびに感じることがあります。人は、自分が思っているよりも前に進んでいる。人生は、自分が思っているよりも変わっている。だから今年もまた、1年後の自分へ手紙を書こうと思います。そして問いかけるのです。「1年後のあなたのために、今の私にできることは何だろう」と。
梅雨の時期は、どうしても家で過ごす時間が増えます。そんな日に少しだけ立ち止まって、1年後の自分へ手紙を書いてみるのはいかがでしょうか。1年後の自分がどんなふうに受け取るのかは分かりません。でも、その手紙を書く時間そのものが、きっと今の自分への良い贈り物になると思います。


