”GPS”で未来を掴め!-年末年始の振り返り習慣のススメー
こんにちは、髙杉です。今日は私の日常のお話をします。
はじめに
2025年も、いよいよ終わりが近づいてきましたね。年末にゆっくり一年を振り返ったり、心新たに新年の目標を立てたりする人も多いのではないでしょうか。皆さんの今年の目標は何でしたか。今年の初めに思い描いていた自分に、近づけたでしょうか。
「なにも変わっていない気がする。そもそも今年の目標がなんだったのかも忘れてしまった」
「去年の年末も同じことに気づいて、今年こそはと意気込んだのに、全部続かなかった」
そんな方もいらっしゃるかもしれません。
そして、毎年のように同じことを繰り返すうちに、
「どうせできないんだから、目標なんて立てても意味がないんじゃないか」
「この歳になったら、毎年が同じことの繰り返しなのかもしれない」
そんなふうに、少しずつ諦めの気持ちが芽生えている方もおられるのではないでしょうか。
でも、それはあなたの意志が弱いからではなく、ただ単に目標の立てかたが間違っていただけなのかもしれません。今回は、私自身が一年の振り返りと新年の計画に使っている、シンプルで強力な思考フレーム、GPSを紹介したいと思います。
GPSとは?
GPSというと、スマホやカーナビで使われている位置情報システムが思い浮かびますよね。行きたい場所に行くためのツールという意味ではちょっと似ていますが、今回お話しするGPSはそれとは違います。目標や計画を考えるときに使われる思考フレームのことで、以下の3つの単語の頭文字です。
G:Goal(ゴール) = どこに辿り着きたいのか
P:Position(現在地) = それに対して現在はどんな状態なのか
S:Strategy(戦略) = そこに辿り着くためにはなにをしたらいいのか
この3つのどれかひとつでも欠けると、目標を実現することは難しくなります。例えば、ダイエットで考えてみましょう。
「摂取カロリーを1800kcal未満に抑えよう!」と戦略を立てても、ゴールが見えないとすぐに脱落してしまいます。
「毎日2時間走る!」と意気込んでも、30分歩くことがやっとという現状を無視しては計画倒れになってしまいます。
「健康で疲れにくい身体になる!」というゴールだけ立てても、具体的な戦略がないとどうしていいかわかりません。
G・P・Sが揃って初めて、意味のある、実行可能で、具体的な目標を考えることができるのです。
■ 準備運動:2025年を優しく振り返る
せっかくの年末なので、まずはスケジュール帳をめくりながら2025年を振り返ってみましょう。スケジュール帳には出来事だけが記録されているかもしれませんが、そのとき自分がした選択や、その結果についても、思い返していきます。
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今年いちばん頑張ったこと、誇りに思える選択、成し遂げたことは?
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今年いちばんつらかったこと、大変だったことに対して、自分はどう対処したか?
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今年いちばん感謝を伝えたい人は?どんな場面で、どんなふうに自分を支えてくれたか?
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2025年1月1日の自分に声をかけるとしたら、なんと言ってあげたいか?
この振り返りのプロセスは、自分にとって大切なものの再確認となり、感謝と自己効力感を育ててくれます。感謝は幸福感に繋がり、自己効力感は充足感に繋がります。そして、来年も自分ならきっとやっていける、という希望を抱くことができます。
■ Goal:2026年12月31日の自分をイメージする
ではいよいよ、2026年の目標を考えます。ここでのコツは、まず感情からイメージすること。いまさっき2025年を振り返ったように、1年後に2026年を振り返るとき、どんなことを考え、どんな気持ちでいたいですか。
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語学力に自信がついて、2027年は一人で海外旅行に行こうかなとわくわくしている
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家族の絆が深まって、これから始まる両親の介護に、協力して取り組もうと決意している
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食事やお酒との付き合い方が上手くなり、無理なく健康を維持できたと満足している
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忙しくても心に余白があり、「大切なものを大切にできた一年だった」と嬉しく思っている
最初は、「こうなっていなければならない」ではなく、「こういう方向に進みたい」という柔らかな未来像で十分です。
■ Position:現在地を確認する
次に、「では、いまの自分はどこに立っているのだろう?」と、現在地を確認します。ここで大切なのは、できていない自分を責めることではありません。ゴールに近づくための“出発点”を、正確に把握することが目的です。
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中学英語レベルで、とても現地で話せる気がしない。単語や文法の知識が足りないし、話す機会もほとんどない。
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家族とは疎遠で、用事があるときに事務的なLINEをするくらい。近況をゆっくり話すことは、もう何年もしていない。
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つい食べ過ぎて、あとで後悔することばかり。食欲や体重に振り回されて、自己嫌悪と開き直りを繰り返している。
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周囲の期待に応えようと頑張っているけど、自分が本当にやりたいことではなくて、虚しさが残ることが多い。
どれも、恥ずかしいことでも、ダメなことでもありません。ただの〈現在地〉です。現在地が現実的であればあるほど、そのあとに立てる戦略も、無理のない現実的なものになります。
■ Strategy:未来の自分へ向かう小さな作戦
最後に、ゴールに向かって少しずつ前進するための戦略を考えます。ここでは「大きな目標」よりも「小さな習慣」が主役です。
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1日30分英会話アプリで勉強して、週末にオンラインで海外の人と話してみる
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週に1回は家族とLINEで近況を報告しあい、誕生日には手紙を送ってみる
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食事管理アプリをダウンロードして、食事やお酒を記録してみる
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毎朝、今日はどんなことを大切にするか決めて、夜に振り返ってみる
今回は敢えて数値としてのゴールを決めず、方向性だけを決めたので、達成しないといけないことはなにもありません。だから、毎日の習慣設定も、無理をする必要はありません。「これなら、ちょっと頑張れば自分でも続けられるはず!」と思えるような戦略を立ててみましょう。戦略を立てたら、年末に振り返って評価できるように、記録する仕組みも作ることをお勧めします。
■ おまけ:未来の自分からいまの自分へ、メッセージを書いてみる
ここまで考えたら、ちょっとしたイメージエクササイズをしてみましょう。あなたはいま、2026年12月31日にタイムスリップしました。1年前に思い描いたとおりの自分になり、理想的な年末を過ごしているようです。どんな気分でいるかを想像しながら、GPSワークをやっているタイムスリップ前の自分に、手紙を書いてみましょう。感謝やねぎらい、励ましの言葉が浮かぶのではないでしょうか。書き終わったらデスクマットに挟んだり、カレンダーの横に貼ってみましょう。封筒に入れて、毎週読み返してもいいですね。
おわりに
ここまで読んで、「それでも正直、面倒だな」と感じた方もいると思います。
確かに、振り返りや計画は楽な作業ではありません。実は私はこういったレビューを、年末だけではなく月末にも、2時間くらいかけてやっています。どの目標をどのくらい達成できたか、どの習慣をどのくらいサボったか、徹底した数値比較で現実と向きあい、原因分析をして翌月の戦略を立てます。とても大変ですがそれでも続けているのは、圧倒的な効果があるからです。月次レビューをやりはじめるまでは、なりたい自分からどんどん遠ざかっていました。いまは、なりたい自分に以前の10倍速で近づいている気がします。
なりたい自分に変わっていくこの感動を、年末年始のこの機会に、みなさんにもぜひ味わってみていただきたいのです。簡単だからではなく、大変だけど、人生を変える力があるから。全員が私のように狂気的にやる必要はまったくないと思います。30分でも時間を取って、2026年の毎日をほんの少しだけ変えることができたらーーきっと来年のあなたが、「大変だったと思うけど、やってくれて本当に良かった!ありがとう!」と言ってくれるはずです。
※年末のご挨拶とお知らせ※
2023年からつづきクリニックで勤務していますが、今年は新しく、クリニックブログの執筆に参加しました。10月から週に一本記事を書くことを目標にし、楽しく走り切ることができたのは、読んでくださっている皆さんのおかげです。本当にありがとうございます。来年も、皆さんの生活や健康に役立つ記事をたくさん届けていきたいと思っていますので、ぜひ引き続き読んでいただけたら嬉しいです。
きたる2026年が、皆さんにとって、さらに豊かな年となりますように。どうぞ良いお年をお迎えください。
【お知らせ】
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ブログは毎週土曜日に更新していますが、1/3(土)はお休みをいただきます。次回更新は 1/10(土) です。
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年始の診察は 1/5から再開、私(髙杉)の担当外来は 1/6(月)から になります。


