こんにちは、高杉です。今日は私の日常のお話をします。


はじめに

季節外れの真夏日が落ち着いたと思えば、雨がちな天気が続く今日この頃。あっという間にもうすぐ梅雨ですね。

梅雨というと、あまり良いイメージを持たれていない季節かもしれません。洗濯物は乾かないし、頭は重いし、外に出るのも億劫になる。毎年この時期になると、「早く夏にならないかな」と思う人も多いでしょう。

一方で、「雨の日、結構好きなんです」という人もいます。私の母もそういうタイプで、快晴の日より、静かな雨の日の方が落ち着くらしいのです。昔は不思議だったのですが、大人になるにつれて、その感覚も少しわかるようになってきました。

もちろん、毎日雨だったら困ります。でも、雨の日にしかない安心感のようなものも、確かにある気がするのです。今日は、そんな「雨の日が少し落ち着く理由」について考えてみようと思います。


理由① 世界の音量が下がる

快晴の日って、実はかなり刺激が強いんですよね。

太陽は眩しいし、街は騒がしいし、人も多い。空は真っ青で、目に映るものすべてが鮮やか。休日の横浜駅前なんかに行くと、音楽、話し声、アナウンス、派手な看板、キッチンカーの匂い、そういった全部が一気に押し寄せてきます。

一方、雨の日は、世界全体の音量が少し下がります。車の音や話し声は雨に吸われ、外を歩く人も減る。人工的な匂いが減って、代わりに湿った雨の香りに包まれる。カーテン越しの光も柔らかくなって、部屋の中まで少し静かになる。

人間の脳は、そういう刺激を、情報としてずっと処理し続けています。流行りの言葉で言えば、雨の日は認知コストが低くて、疲れにくいのかもしれません。


理由② 「元気でいなきゃ」という圧が弱まる

天気がいい日って、「ちゃんと活動しなきゃ」という空気感がありませんか。

せっかく晴れているんだから出かけた方がいい。何か有意義なことをした方がいい。朝から元気に動けるのが正しい。そんな雰囲気が、世の中全体に漂っている気がする。だから、快晴の日に家でゴロゴロしていると、少しだけ罪悪感を感じることがあります。

でも雨の日は、「今日は家でゆっくりしよう」が自然に許されるような気がします。外の景色そのものが静かなので、自分だけが立ち止まっている感じがしにくい。

元気がない日って、「周囲はちゃんと動いているのに、自分だけ動けない」という感覚がつらかったりします。でも雨の日は、世界全体が少し低速運転になる。だから、「今日は自分も低空飛行でもいいか」と思いやすいのかもしれません。


理由③ 内向きの時間を作りやすい

雨の日は、自然と注意が外側より内側に向きやすくなる気がします。

晴れていると、外へ出たくなる。どこかへ行きたくなる。予定を入れたくなる。興味は外へと広がり、自分自身のことも他者目線で意識するようになります。

雨の日は家にいることが多くなるので、自然と身の回りや自分自身に意識が向かいます。自分がいま何を感じているのか。何を必要としているのか。あるいは、自分はどんな人間なのか。普段忙しさに押されて見えなくなっていることに、意識を向けることができます。

そして、家でゆっくりする日は、自分自身が必要としていることを自分にしてあげるのにぴったり。温かい飲み物を淹れたり、部屋を片付けたり、積んだままだった本を開いたり。セルフマッサージをして身体をいたわってあげるのもいいですね。

外へ向かう日ではなく、自分の内側へ戻る日。そんな日がときどきあったほうが、晴れた日に、より遠くまで飛び出して行けるような気がします。


理由④ 世界が少し曖昧になる

抽象的な感覚の話になってしまいますが、雨の日って、世界の輪郭が少しぼやける感じがしませんか。遠くの建物は霞み、窓ガラスに映る景色も雨粒で歪む。傘を差せば隣の人の表情も見えず、雨音がノイズとなって音も曖昧になります。

快晴の日の世界って、全部がはっきりしていますよね。見えるものや聞こえる音もそうですが、それ以上に「現実のコントラスト」が強い。やるべきなのにやっていないことも、周囲と自分の違いも、すべてが晒されてくっきり見えてしまう。

でも雨の日は、世界全体が少し柔らかくなる。ものごとの輪郭が曖昧になるというか、「全部をそんなにはっきりさせなくてもいい」という空気がある。白黒つけなくてもいい。少しくらいぼんやりしていてもいい。そういう安心感が、雨の日にはある気がします。


理由⑤ 雨の日は「回復モード」に入りやすい

雨の日って、なんだか眠くなりませんか。

実際、明るすぎないことや雨音のホワイトノイズ効果、気圧の変化などにより、副交感神経が優位になりやすいと言われています。身体が「活動モード」より、「休息モード」に入りやすい。

もちろん、だるすぎるのは困るのですが、普段ずっと頑張り続けている人にとっては、この「少し強制的にペースが落ちる感じ」が、回復につながることもある気がします。

現代って、晴れでも雨でも、昼でも夜でも、ずっと同じペースで動けてしまうんですよね。全天候型をうたう施設は増えているし、やろうと思えば家にいても、仕事や趣味に没頭できてしまう。

でも、天気に合わせて少し速度を落とすことには、案外意味があるのかもしれません。雨の日は、お風呂にゆっくり入ったり、少し早めに布団に入ったりするくらいで、ちょうどいいのかもしれませんね。


おわりに

晴れの日には、晴れの日の良さがあります。梅雨は、決して快適な季節ではありません。頭痛も増えるし、洗濯物も乾きません。でも、雨の日にしかできない休み方や、雨の日だからこそ感じられる落ち着きもあるのです。

「いつもより静かに過ごそう」「ゆっくり休もう」と思える理由を、雨は与えてくれる。そんなふうに考えると、今年の梅雨も、少しだけ悪くない季節に思えてくるかもしれません。