こんにちは、髙杉です。今日は、内科のお話をします。


はじめに

最近、「頭痛が増えた」「毎年この時期に頭が痛くなる」という相談を受けることが増えています。春から初夏にかけては、寒暖差や気圧の変化が大きく、体調を崩しやすい時期です。新生活の疲れが少しずつ出てくる頃でもあり、睡眠不足やストレスが重なって、頭痛が悪化する方も少なくありません。

頭痛はとてもありふれた症状ですが、一方で、「原因がよくわからない」「自分の頭痛が何なのか分からない」と感じている方も多い印象があります。

実際には、頭痛にもある程度の「パターン」があります。自分の頭痛の特徴を知ることで、少し対処しやすくなることもあります。今回は、よくある頭痛のタイプや、注意が必要な頭痛についてお話しします。


「危険な頭痛」のサインとは

頭痛の多くは命に関わるものではありません。しかし、中には早めの受診が必要な頭痛もあります。たとえば、

  • バットで殴られたように突然始まる激しい頭痛
  • 「いままでで一番ひどい」と感じる頭痛
  • 手足の動かしにくさや、ろれつの回りにくさを伴う頭痛
  • 高熱や意識障害を伴う頭痛
  • いつもの頭痛と明らかに違う種類の頭痛
 

などは注意が必要です。くも膜下出血、脳卒中、髄膜炎などが隠れていることもあり、救急受診が必要になる場合があります。

一方で、外来で実際によく見かけるのは、こうした危険な頭痛というより、「いつもの頭痛」で長く困っているケースです。


緊張型頭痛

頭痛にはさまざまな種類がありますが、日常的によくみられるものとしては、「緊張型頭痛」と「片頭痛」が代表的です。

その中でも、もっとも多いのが緊張型頭痛です。緊張型頭痛では、

  • 頭を締め付けられるような感じ
  • 後頭部から首、肩にかけての重だるさ
  • 「ズキズキ」というより「重い」感じ

といった特徴がみられます。

長時間のデスクワークやスマートフォン使用、睡眠不足、ストレスなどをきっかけに悪化しやすく、肩こりや首の張りを伴うこともよくあります。

この時期は、寒暖差や環境変化による疲労も加わり、自律神経が乱れやすくなります。その結果、身体の緊張が抜けにくくなり、頭痛につながることがあります。


片頭痛(偏頭痛)

片頭痛では、

  • ズキズキ脈打つような痛み
  • 光や音がつらい
  • 吐き気を伴う
  • 動くと悪化する

といった特徴がみられます。

女性に多く、気圧の変化や月経、睡眠不足、逆に寝過ぎなどをきっかけに悪化することがあります。以前は「血管が広がることで起こる」と説明されることが多かったのですが、最近では、脳や神経の「過敏さ」が関係していると考えられています。そのため、光や音、匂いなどに敏感になる方もいます。

また、実際の診療では、「これは完全に緊張型頭痛」「これは完全に片頭痛」ときれいに分かれる方ばかりではありません。普段は肩こり中心の重い頭痛でも、疲労や気圧の変化をきっかけに、片頭痛のようなズキズキした痛みに変わる方もいます。逆に、片頭痛のある方が、慢性的な首や肩の緊張を同時に抱えていることも少なくありません。


「気圧で頭が痛くなる」は本当にある?

「雨の前になると頭が痛い」という方は、実際かなり多くいらっしゃいます。ただ、現時点では、「気圧がこう変化すると必ず頭痛が起こる」というところまで、完全に解明されているわけではありません。

一方で、

  • 自律神経の変化
  • 三叉神経という痛みを伝える神経の過敏さ
  • 内耳の気圧変化への反応

などが関係している可能性は考えられています。

またこの時期は、気圧だけでなく、

  • 睡眠不足
  • 疲労
  • ストレス
  • 月経
  • 首や肩の緊張

など、さまざまな要因が重なって頭痛が起きていることも多い印象があります。「気圧だけが原因」と考えるより、「体調全体が崩れやすいタイミング」と捉えた方が、実際の感覚には近いのかもしれません。


病院を受診した方がよいのはどんなとき?

頭痛の治療といえば「痛み止め」のイメージを持つ方も多いと思います。実際、市販薬で改善する頭痛も少なくありません。

一方で、病院でしか処方できない治療薬や、「頭痛を起こりにくくする」ための予防薬が、症状軽減に役立つこともあります。また、なかなか良くならないからと市販の痛み止めを頻繁に使い続けてしまうと、逆に頭痛が悪化してしまう「薬物乱用頭痛」という状態になることもあります。

危険な頭痛のサインがなくても、

  • 市販薬が効かない
  • 薬を飲む回数が増えている
  • 頭痛のために仕事や学校を休む

といった場合には、一度受診してみることをお勧めします。

「頭痛くらいで病院に行っていいのかな」と遠慮される方もいますが、慢性的な頭痛は生活の質に大きく影響します。我慢し続けることで、かえって悪循環に入ってしまうこともあります。


おわりに

頭痛はとてもありふれた症状ですが、その現れ方や悪化の仕方には、人それぞれある程度パターンがあります。「どういうときに悪化するのか」「どんな頭痛なのか」を知ることで、付き合いやすくなることも少なくありません。

次回は、頭痛薬の種類や使い方、薬を飲むタイミング、日常生活でできるセルフケアなどについてお話しする予定です。頭痛で悩んでいる方の参考になれば幸いです。